深蒸し茶を水出しで淹れる5つのメリット
味や色が出やすい【メリット1】
水の温度が低いと茶葉に含まれる成分は水に溶け出しにくくなります。普通蒸し煎茶も水出しで淹れることは可能ですが、深蒸し茶は「深蒸し製法」によって、普通蒸し煎茶と比較すると茶葉に含まれる成分が水に溶け出しやすくなっているため、普通の緑茶よりも水出しに向いていると言えます。また、深蒸し茶では粉状の細かい茶葉も淹れたお茶に混ざるため、水出しでもお茶の色も鮮やかになります。
深蒸し茶の味や色が出やすい理由
緑茶は茶葉に含まれる酸化酵素の働きを止めるために、生の葉に蒸気で熱を加えます。普通蒸し煎茶の場合、茶葉を蒸す時間は40秒程ですが、深蒸し茶の場合はその2倍から3倍の時間をかけて茶葉を蒸します。長い時間熱を加えることによって茶葉が柔らかくなるため、葉に含まれる成分が水に溶け出しやすくなります。深蒸し茶の「深蒸し」とは、茶葉を長く蒸すことを意味します。また「深蒸し」することによって細かく砕けた茶葉も混ざり、深蒸し茶は普通蒸し煎茶と比べると少し粉っぽくなっています。そのため深蒸し茶は味や色が溶け出しやすくなっているのです。
青臭さが少ない【メリット2】
緑茶の香りは温度の高いお湯で淹れることによって引き立ちやすくなります。ですが中にはお茶の葉の青臭さが苦手という方もいらっしゃるかと思います。深蒸し茶は「深蒸し製法」のおかげで元々青臭さがかなり少なくなっていますが、水出して淹れることでさらに青臭さを感じにくくすることができます。
苦味が少なくなる【メリット3】
緑茶の苦味は茶葉に含まれるカフェインによるもので、カフェインは水の温度が高ければ高い程茶葉から水に溶け出しやすくなる性質があります。水出しで淹れることによってお茶に溶け出すカフェインの量をお湯で淹れた場合よりも少なくすることができるため、苦味の少ない味わいのお茶にすることができます。
カフェインがゼロになるわけではない
水出しで淹れた場合でも、カフェインが全く含まれていないというわけではなく、浸出時間が長くなるにつれて、茶葉のカフェインは徐々に溶け出していきます。カフェインには交感神経に作用する性質があることが広く知られており、覚醒作用や注意力の向上といった作用がある一方、カフェインの過剰摂取は不眠やめまい吐き気といった作用をもたらすこともあります。カフェインによる影響は個人差が大きいため、不調を感じた場合は飲む量を減らすなどしましょう。
渋味が少なくなる【メリット4】
緑茶の渋みは茶葉に含まれるカテキンによるもので、カテキンもカフェインと同様に水の温度が高ければ高い程水に溶け出しやすくなります。水出しで淹れることによって、茶葉から溶け出すカテキンの量が少なくなり、渋みの少ないお茶になります。
カテキンには様々な健康効果があることが知られていますが、カテキンは新茶よりも番茶に多く含まれています。新茶は茶葉の中でも最も品質が良く、新茶を使用した深蒸し茶の価格は番茶を使用したものと比べると高価になっています。カテキンを多く含んでいるお茶を飲みたい場合は高価な深蒸し茶よりも番茶を使用した安価な物の方が向いています。
旨味・甘味を感じやすくなる【メリット5】
茶葉にはアミノ酸の一種であるテアニンが含まれており、テアニンは旨味や甘味を感じさせる成分です。テアニンはカフェインやカテキンと比較すると低温でも水に溶けやすい性質があり、低温で淹れるとお湯で入れた場合と比較して、お茶に含まれるカフェインやカテキンが少なくなるため、テアニンの旨味や甘味を感じやすいお茶になります。
水出しで深蒸し茶を淹れる方法
先にご紹介した通り深蒸し茶は普通蒸し煎茶と比べ、味や色が出やすく水出しとの相性が良い緑茶です。ここでは深蒸し茶を水出しで淹れる方法をご紹介します。
1、水1Lにつき10gの深蒸し茶を用意します。
2、深蒸し茶をティーバッグに詰め、麦茶ポットなどに入れた後、水を注ぎます。
3、冷蔵庫で様子を見ながら3時間~半日ほど浸出します。
フィルターのついた水出し茶用のボトルを使用するとより手軽に水出し茶を入れることができます。
まとめ
・深蒸し茶は水出しでも味や色が出やすい。
・深蒸し茶は元々青臭さが少ないが、水出しで入れることによってさらに青臭さを少なくできる。
・水出しにすることで、カフェインが水に溶けだしにくくなり苦味も少なくなる。
・水出しにしてもカフェインがゼロになるわけではない。
・水出しにするとカテキンの量が少なくなり、渋みも少なくなる。
・水出しで淹れるとテアニンの旨味や甘味を感じやすくなる。
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