新茶の色ってどんな色?

新茶の色ってどんな色? 緑茶の楽しみ方

新茶の色ってどんな色?

新茶の色ってどんな色?

新茶の色と言うとどのような色を思い浮かべるでしょうか?この記事では新茶と番茶の色の違いや茶葉の色が変わる理由の他、茶葉の変色を抑える保管方法などについてご紹介していきます。

茶葉の緑色の正体

お茶の葉も他の植物と同様に緑色をしていますが、これは植物に含まれているクロロフィル(葉緑体)によるもので、クロロフィルは植物がエネルギーを作り出す光合成に必要不可欠な物質です。

新茶の色

新茶とはその年の一番最初に開いたお茶の木の若い葉のことを指し、鮮やかな黄緑色をしています。お茶の種類によっては収穫前に覆いをかけて日光を遮る場合があり、これは茶葉に当たる日光を少なくすることで、クロロフィルを増加させより鮮やかな緑色の茶葉を生産するためで、碾茶(抹茶の原料)や玉露を生産する際に行われます。早い地域では4月の上旬頃から収穫が始まり、この時期のお茶の生産地は一帯が茶畑の鮮やかな新緑の色に染まります。

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番茶の色

お茶は1年の内に3回から4回収穫され、新茶より後に収穫された茶葉のことを番茶と呼びます。新茶は葉が柔らかく鮮やかな緑色なのに対し、番茶の葉は固く濃い緑色をしています。

収穫後の茶葉の色は変化する

茶葉にはポリフェノールオキシダーゼと呼ばれる酸化酵素が含まれ、収穫後はこの酸化酵素の働きによって発酵が進んで行きます。収穫後の茶葉を放置するとクロロフィルが酸化酵素によって分解されフェオフィチンという物質に変化し、緑色だった茶葉は茶色へと変色していきます。お茶は茶葉をどの程度発酵させるかによって不発酵茶・半発酵茶・発酵茶・後発酵茶に分類することができ、緑茶は全く発酵させない不発酵茶に分類されます。

酸化酵素の働きを止める殺青(さっせい)

緑茶製造に関する用語に殺青と呼ばれるものがあり、これは茶葉に熱を加えることで酸化酵素の働きを止めることを指し、蒸気を使って蒸す方法の他、茶葉を炒るも用いられます。蒸す方法が主流ですが、一部の地域では釜炒りで殺青が行われます。

半発酵茶・発酵茶・後発酵茶の色

半発酵茶は茶葉を30%から80%程度発酵させたお茶でウーロン茶などがあります。発酵茶は80%から100%発酵させたお茶で紅茶などがこれに分類され、後発酵茶にはプーアル茶や碁石茶などがあり、これは100%発酵させた後さらに微生物による発酵を経て製造されるお茶です。これらのお茶は発酵度が高くなるほど黒っぽい色になっていきます。

煎茶の色

煎茶は日本茶の中で最も一般的な方法で製造されるお茶で、茶葉を蒸す時間によって普通蒸し茶と深蒸し茶に分けられ、茶葉の色や水色(淹れたお茶の色)もそれぞれ異なっています。

普通蒸し茶

普通蒸し茶は茶葉を30秒ほど蒸して作られる煎茶で、新茶から作られた普通蒸し茶はさわやかな香りと旨味と渋み程よいバランスが特徴です。

茶葉の色:濃い緑色

水色:澄んだ金色

深蒸し茶

深蒸し茶は普通蒸し茶より2倍から3倍ほど長い時間茶葉を蒸して作られる煎茶で、これにより新茶の青臭さが少なくなり渋みも感じにくいお茶ができます。

茶葉の色:うっすら黄色がかった緑色

水色:鮮やかな緑色

玉露の色

玉露の製造方法は煎茶ほとんど同じですが、茶葉の色を濃くするために収穫前に日光を遮って栽培され、「覆い香」と呼ばれる香りと濃厚な旨味が特徴です。

茶葉の色:深い緑色

水色: 澄んだ黄緑色

茶葉の色を保つ保管方法

茶葉の色を保つ保管方法
Japanese tea ceremony uses leaf tea, primarily sencha.

茶葉を変色させる原因

茶葉に含まれるクロロフィルは酸化されやすい性質があり、開封後の茶葉は時間が経つほどに変色していきます。茶葉の色に影響を与える要因は主に以下の4つが挙げられます。

湿度

湿度の高い環境で茶葉を保存すると茶葉に含まれる水分量が増加し酸化が促進されるため変色の原因になります。

酸素

空気中に含まれる酸素によってクロロフィルが酸化されることで茶葉の色が変色します。

光はクロロフィルの分解を促進するため変色の原因になります。

高温

高温な環境下ではクロロフィルの酸化が促進されるため茶葉が変色しやすくなります。

茶葉の変色を防ぐ保管方法は?

残念ながら開封後の緑茶の変色を完全に防ぐことは難しいですが、できるだけ茶葉の変色を抑えるためには、湿度・酸素・光・高温を避けて保存する必要があります。そのため茶葉を保管する容器は光を通さず密閉できるものを使用し、湿度の低い涼しい場所で保管するようにしましょう。また、開封後は1ヶ月以内に飲みきるのが理想的です。

まとめ

まとめ

・茶葉の緑色はクロロフィルによるもの。

・新茶は鮮やかな黄緑色をしているが、玉露や碾茶では収穫前に日光を遮ってより緑を濃くしてから収穫される。

・ 収穫後の茶葉は酸化酵素の働きで変色していく。

・緑茶は殺青によって酸化酵素の働きを止めて製造される。

・緑茶の変色を防ぐには湿度・高温・酸素・光を避けて保管する。

同じ新茶であっても最終的に加工されるお茶の種類によって、黄緑色の新芽をそのまま使用するのか、緑色を濃くしてから収穫するのかといった違いがあるため茶葉の色も異なっています。お茶の色は品質を見る上でも重要な要因ですので、お茶を購入する際には色にも注目してみると新たな発見があるかもしれません。

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