釜炒り茶は煎茶とどう違う?

釜炒り茶は煎茶とどう違う? 緑茶の種類

釜炒り茶は煎茶とどう違う?

釜炒り茶は煎茶とどう違う?

皆さんは釜炒り茶というお茶についてご存知でしょうか。日本茶の一種で名前の通り釜で炒る方法で製造される緑茶で、主に九州で生産されています。日本人は煎茶を最も多く飲んでいると言われていますが、この記事では釜炒り茶と煎茶は何が違うのかについてご紹介していきます。

釜炒り茶の特徴

勾玉のような形の茶葉

釜炒り茶や煎茶では茶葉を揉む柔捻と呼ばれる工程があり、その後の乾燥を行うのですが、釜炒り茶ではこの乾燥を釜で熱を加えながら撹拌して行うため、茶葉は丸みを帯びた勾玉のような形になります。中には煎茶と同じように茶葉の形を整える精柔を行う釜炒り茶もあり、こちらは釜伸び茶とも呼ばれます。

風味の違い

釜炒り茶と煎茶の風味での大きな違いは香りにあり、釜炒り茶には茶葉を釜で炒ることによって生じる「釜香(かまか)」と呼ばれるこうばしい香りがあります。釜香は生葉を最初に炒る際に生まれる香りで、釜炒り茶は一煎目、二煎目と茶葉を浸出するごとに茶葉が開いていき香りも変化していくという特徴があります。

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釜炒り茶の起源は中国茶の製法

お茶の葉は収穫後、酸化酵素の働きによって発酵が進んでいきます。お茶はこの発酵をどの程度行うかによって不発酵茶、半発酵茶、発酵茶の3種類に分けることができます。緑茶は茶葉を発酵させずに作られる不発酵茶に分類され、殺青(さっせい)という茶葉に熱を加え酸化酵素の働きを止める工程があります。

日本茶では蒸すことによってこの殺青を行うのが主流ですが、釜炒り茶ではこの殺青を釜で炒ることで行います。釜で炒る方法は中国茶の製造で用いられる方法で、九州で用いられている方法は1400年代~1600年代にかけて九州に伝わったものと言われています。

釜炒り茶の作り方

釜炒り茶では釜で炒ることによって殺青を行なうということをご紹介しましたが、その後煎茶と同じように茶葉を揉む工程(柔捻)を経て、茶葉を乾燥させますがこの工程も釜で炒る方法が用いられます。煎茶では茶葉の形を整える精柔という工程がありますが、釜炒り茶ではこの精柔を行うものと行わないものがあります。

釜炒り茶にも番茶やほうじ茶がある

煎茶は一番茶(新茶)から作られ、二番茶・三番茶を煎茶と同じ方法で加工したものを番茶と呼びます。釜炒りで製造したお茶も二番茶・三番茶を原料とするものは番茶と呼ぶ場合があるようです。また、一般的なほうじ茶は煎茶や番茶を焙煎して製造されますが、釜炒り茶を焙煎したほうじ茶も存在するようです。

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蒸し製玉緑茶との違い

釜炒り茶と製造方法が似ている緑茶に蒸し製玉緑茶という緑茶があります。この緑茶は殺青の工程を釜で炒るのではなく煎茶と同じように蒸すことで行った後、釜炒り茶と同様の方法で製造したもので、釜炒り茶に比べ渋みが強いという特徴があります。蒸し製玉緑茶と釜炒り茶を区別するために、釜炒り茶のことを釜炒り製玉緑茶と呼ぶこともあります。

自作する愛好家

釜炒り茶はもともと自家用に作られていたもので、現在でも自作する愛好家の方がいらっしゃるようです。作り方は人によってそれぞれ異なっているようですか、フライパンやホットプレートで炒っている方が多いようです。

主な産地は九州

先に少しご紹介した通り釜炒り茶の主な生産地は九州で、佐賀県・長崎県・熊本県・宮崎県での生産が盛んで、特に佐賀県の嬉野と宮崎県の五ヶ瀬のものが有名です。

嬉野の釜炒り茶は1440年に明から渡来した陶工によるお茶の栽培を起源とし、その後南京釜が伝わったことで釜炒り茶が広まったと言われています。五ヶ瀬の釜炒り茶は1600年頃に朝鮮から熊本を経て伝わったものと言われています。

また、嬉野の釜炒り茶は釜に傾斜をつけて製造され、五ヶ瀬のものは青柳製と呼ばれる製法で釜を水平な状態で使用します。

釜炒り茶の淹れ方

釜炒り茶の淹れ方

お湯で淹れる場合

釜炒り茶は煎茶よりやや高めの温度で淹れますが、基本的には煎茶と同じ手順です。一人当たりの茶葉は3g、お湯は80mlを用意し、一煎目のお湯の温度は約80℃、二煎目は約85℃と徐々に高くしていき1分程浸出させます。

水出しで淹れる場合

水出しで入れる場合には水1Lに対し茶葉を15g用意します。お茶パックに釜炒り茶を入れ、麦茶ボトルやサーバーにお茶パックと水を入れ、半日ほど冷蔵庫で冷やしながら浸出させます。

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まとめ

まとめ

・釜炒り茶と煎茶の風味の大きな違いは釜香にある。

・煎茶は蒸し、釜炒り茶は炒ることで茶葉の発酵を止める。

・蒸し製玉緑茶は蒸して発酵を止めた後、釜炒り茶と同じ工程で製造される。

・ 九州での生産が盛んで、嬉野と五ヶ瀬のものが有名。

・ 釜炒り茶は煎茶と同じ方法で淹れる。

生産量が少ないためあまり馴染みがないという方もいらっしゃるかと思いますが、この機会に「釜香」を体験してみてはいかがでしょうか。

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参考

日本茶の事典 STUDIO TAC CREATIVE

Wikipedia https://ja.wikipedia.org