桃生茶の特徴とは?生産地やお茶の種類、歴史について解説

桃生茶の特徴とは?生産地やお茶の種類、歴史について解説 お茶の産地

北限のお茶といえば、村上茶や奥久慈茶が知られていますが、桃生茶(ものうちゃ)はそれらの産地よりもさらに北に位置する宮城県で生産されています。

生産量が非常に少ないため、「桃生茶がどのようなお茶なのかよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、桃生茶の特徴の特徴や歴史について解説していきますので、ぜひご覧ください。

桃生茶とは?

まずは、桃生茶がどのようなお茶なのかを理解するために、産地や歴史について解説していきます。

産地

桃生茶の産地は、宮城県東部に位置する石巻市桃生町周辺です。

お茶は亜熱帯性の植物で、桃生町周辺はお茶の生産地としては寒冷な気候にあり、お茶の栽培に最適な気候というわけではありませんが、寒冷な気候のおかげで虫による害が少なく、最低限の農薬だけでお茶を栽培することができます。

北上川上流の川沿いに茶園が点在しており、昼夜の寒暖差から霧がかかりやすくなっています。

この地域では古くからお茶の生産が行われており、「北のお茶所」と呼ばれてきました。

新茶の時期

桃生茶の新茶の時期は5月中旬頃です。

暖かい地域ほど新茶を収穫する時期は早くなる傾向にあり、そういった地域では4月上旬ごろから収穫が始まります。

宮城県はお茶の産地としては涼しい地域に位置しているため、新茶の収穫は比較的遅い時期に始まります。

一般的に新茶の収穫は立春から88日目に行われますが、桃生茶は108日目に収穫を行うため、百八茶とも呼ばれています。

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歴史

桃生茶の起源は400年前にまでさかのぼります。

17世紀に仙台藩の初代当主である伊達政宗が、領内でのお茶の栽培を推奨したことが起源とされています。

19世紀には、全国第4位の生産量を誇る産地に成長しましたが、機械化に伴う他の産地の台頭を受けて次第に衰退していきました。

桃生茶は仙台藩時代から継続して生産されてきたわけではなく、現在生産されている桃生茶は、20世紀に入り佐々木忠氏によって再興されたものです。

その後、桃生町役場がお茶の栽培を推進したことで、お茶の産地として復活を果たし現在に至ります。

桃生茶の3つの特徴

桃生茶の3つの特徴

ここからは、桃生茶の3つの特徴について解説していきます。

北限のお茶

桃生町周辺は古くから、北のお茶処と呼ばれてきたように、お茶の生産地としては北限に位置しています。

一般的に商業的なお茶の生産地の北限は、日本海側の北限の産地として知られる新潟県村上市と、太平洋側の北限の産地として知られる茨城県大子町を結んだラインとされていますが、桃生町はこのラインより北で、安定的にお茶を供給できる数少ない産地です。

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生産量が少ない

生産量の少なく希少価値が高い点も桃生茶の特徴といってよいでしょう。

桃生茶は、北限の山地で生産されており、お茶の産地しては寒冷な気候にあるため、2番茶までしか収穫を行いません。

【桃生のお茶農家数と生産量】

  農家数 製茶量
桃生茶生産研究会員 18戸 1.6t
生産農家 130戸 2.2t

(出典:地方茶 宮城の茶

加えて、もともとお茶農家の数も他の産地と比較すると少ないため、全体的な生産量が少なく、製茶量は全体で3.8t程です。

寒冷な気候と生産者数の少なさから、桃生茶の生産量は非常に少ないのです。

まろやかな味わい

桃生茶は、他の産地のお茶と比較すると味がまろやかと言われています。

桃生茶の産地では、2番茶までしか収穫を行わないことを先ほどご紹介しましたが、収穫の回数が少ないため、茶葉に栄養を大量に蓄えることができ、これによって味わいがまろやかになるとされています。

また、お茶本来の香りが強いのも桃生茶の特徴です。

桃生茶の品種

桃生茶の品種

生産量が非常に少ない桃生茶ですが、様々な品種が栽培されています。

ここでは代表的な桃生茶の品種をいくつかご紹介します。

やぶきた

「やぶきた」は煎茶用の茶葉として品質が優れており、国内で最も多く生産されている品種で、桃生町周辺でも盛んに生産されています。

静岡県の在来種の中から選抜された品種で、比較的寒さに強く様々な産地で栽培できることから、1960年代に全国的に普及しました。

旨味と渋みのバランスが良いのが特徴です。

さやまみどり

「さやまみどり」は、現在のようにやぶきたが普及する以前に盛んに栽培されていた品種のひとつで、宇治の在来種の中から発見されました。

寒さに強く煎茶用の茶葉として品質に優れ、昔ながらの懐かしい日本茶の香りが特徴とされています。

あさつゆ

「あさつゆ」は、宇治の在来種の中から選抜された品種です。

やぶきたと比較すると収穫できる量は少ないですが、濃厚な旨味と渋味の少なさから天然玉露と呼ばれることもある人気の品種です。

あさつゆは暖かい地域での栽培に向いているとされていますが、桃生町周辺でも量は少ないものの、いくらか栽培されています。

桃生茶の種類

桃生茶の種類

桃生茶がどのようなお茶なのかについて解説してきましたが、ここでは桃生町周辺で生産されている茶種について解説します。

煎茶

煎茶は、蒸した茶葉を揉みながら乾燥させた緑茶の一種です。

日本人にとって最も馴染み深いお茶で、原料である茶葉の収穫時期や栽培方法に違いがあるものの、番茶や玉露も同じような方法で製造されます。

淡麗な味わいと茶葉本来の香りの強さが、桃生茶の煎茶の特徴とされています。

緑茶と煎茶の違いって何?

緑茶と煎茶の違いって何?

紅茶

最近では、桃生茶を使用した東北初の紅茶の生産も行われています。

桃生町周辺は、紅茶の生産地であるスリランカの気候に似ているため、紅茶に適した茶葉の栽培が可能になっていると言われています。

一般的な紅茶はパッケージを開封すると、お茶の風味がすぐに失われてしまいますが、桃生茶の紅茶は風味が落ちにくく、上品な甘味が特徴とされています。

まとめ

まとめ
  • 桃生茶は宮城県桃生町周辺で生産されるお茶
  • お茶本来の香りとまろやかな味わいが特徴
  • 5月中旬頃に新茶の収穫が行われる
  • お茶の生産地としては、北限に位置しており生産量が非常に少ない

先にご紹介した通り桃生茶は生産量が非常に少ない貴重なお茶です。

最近ではインターネットで入手することもできますので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。

北限のお茶についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひご覧ください。

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