血圧が高くなるメカニズム
血圧の上昇は心臓から送り出される血液の増加と、末梢血管の抵抗が増加することによって起こり、末梢血管の抵抗は、血管の収縮や動脈硬化などで血管が狭くなることによって増加します。
血圧の上昇の原因が分かっているものを二次性高血圧、原因が不明なものは本態性高血圧と呼ばれ、高血圧のほとんどは原因の特定できない本態性高血圧です。
血圧が高くなる原因
塩分の摂り過ぎ
体内のナトリウムが増加すると、ナトリウムの濃度を一定に保とうと体内の水分調整機能によって水分が増加し、血流が増えることで血圧が高くなります。
また、腎臓の機能が低下し、うまくナトリウムの排出が行われていない場合も、血圧が高くなる原因になることがあります。
肥満
肥満の人はそうでない人に比べ食事量が多くなる傾向にあり、摂取する塩分の量も多くなることが、肥満によって血圧が上がる原因の一つと考えられています。
また、東北大学の研究によると人の体には、肝臓の働きによって脂肪の蓄積を調整する機能が備わっており、過食の際には代謝を活発にして、すぐに蓄える脂肪が増えないようにしていますが、現代人は日常的に過食傾向にあるため、肝臓のこういった機能によって交感神経を活性化させてしまい、血圧を上げている可能性が指摘されています。
アルコールの摂り過ぎ
アルコールは心臓の鼓動を早め、血管の収縮を活発にする作用があり、日常的に大量のアルコールを摂取している人は、血圧の平均値が高くなる傾向にあり高血圧症になるリスクが高くなります。
ストレス
ストレスが血圧を上昇させるということはよく知られており、ストレスによる血圧の上昇を、日常生活の中で体験したことがあるという方も、多いのではないでしょうか。
しかし、ストレスが血圧を上昇させるメカニズムについては、いまだに明らかになっていないようです。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があるため、一時的に血圧を上昇させます。
また、タバコに含まれる酸化物質は血管にダメージを与え、動脈硬化のリスクを高める原因にもなります。
お茶に含まれる血圧を下げる効果のある成分
カテキン
茶葉の10~20%を占める渋み成分で、主にエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキンの4種類が含まれており、高血を下げる効果以外にも体脂肪低下や抗酸化作用もある成分で、動脈硬化の予防にも効果のある成分です。
カテキンが血圧を下げる理由
カテキンには、血圧を上昇させる酵素の働きを阻害する作用があります。
カリウム
湯のみ一杯(120ml)のお茶に32mg程含まれる成分で、カリウムはナトリウムとともに、体内の水分を一定に保つ働きがありますが、塩分の過剰摂取によってナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、血圧が上昇する原因になります。
カリウムが血圧を下げる理由
カリウムには余分な水分と塩分の排出を促進する作用があり、これによって血圧を下げる効果があります。
サポニン
茶葉に0.1%程含まれている水溶性の成分で、水に溶かして混ぜると泡ができることから、ラテン語で石鹸を意味するサポの名前がつけられ、天然の界面活性剤とも呼ばれ、抹茶が泡立つのもお茶にサポニンが含まれているためです。
サポニンが血圧を下げる理由
サポニンには血管内に血栓ができにくくする作用があり、動脈硬化の予防が期待できます。
GABA(y-アミノ酪酸)
GABAは脊椎動物の中枢神経系に存在するアミノ酸の一種で、神経伝達物質として機能しています。
GABAが血圧を下げる理由
茶葉に0.1~0.2%含まれ、血圧を低下させる作用があるものの、 GABAは脳と血液の組織液の間の物質交換を制限する役割を持つ、血液脳関門を通過できない物質で、体外から GABA を摂取しても神経伝達物質としてそのまま用いられることはないことが分かっており、体外から摂取したGABAがどの程度体に影響を与えるのか、はっきりしたことはよく分かっていないようです。
テアニン
茶葉に0.6~2%程含まれ、お茶に含まれるアミノ酸の一種で、お茶の木とその近縁種などの一部の植物にしか見つかっていない成分で、血液脳関門を通過でき精神に作用する効果があります。
お茶の木の中のテアニンは日光が当たるとカテキンに変化するため、収穫前に日光を遮って作られる玉露や抹茶の原料である碾茶などに特に多く含まれています。
テアニンが血圧を下げる理由
テアニンには人をリラックスさせる効果があり、テアニンを摂取した後、30分程度でリラックスの指標であるアルファー波が検出されたとする研究がある他、ストレスによる心拍数の変動を安定させる抗ストレス作用などの効果が確認されています。
参考
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph04.html
「肥満になると血圧が上がる」メカニズムを解明 ~メタボリックシンドロームの発症機序明らかに~ 東北大学
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/press20110809_01.pdf
緑茶と健康のメカニズム機能効用ナビゲーション2013
https://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/documents/mechanism2013.pdf
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org
(社)静岡県茶業会議所編 知って得するお茶百科