緑茶はダイエットに効果があるのか?体脂肪が減少する理由を解説

緑茶はダイエットに効果があるのか? 緑茶と健康

緑茶で本当にやせるの?

ウエストを測る女性

緑茶自体にカロリーはほとんどないため、お茶が原因で太るということは考えにくいです。

一方で、お茶には脂肪を減らす効果があり、これまでにさまざまな調査が行われ、実際に脂肪燃焼効果があることが分かっています。

皮下脂肪だけではなく内臓脂肪も減少し、特に内臓脂肪が多い人の脂肪量の減少が大きいとされています 。

お茶で体脂肪が減少する理由

冷茶と茶葉

お茶には代謝を上げ脂肪の燃焼を促す作用と脂肪や糖の吸収を抑制するという2つの効果があります。

これはお茶に含まれるカテキンとカフェインの働きによるものです。

適度な運動により脂肪の消費を促進することで効果がよりが大きくなります。

茶カテキン

カテキンは乾燥させた茶葉の10~20%を占めるお茶の苦味成分です。

緑茶には、主にエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキンの4種類が含まれています。

湯呑1杯の緑茶含まれるカテキンの量は100mg程です。

カテキンを摂取すると基礎代謝が活発になり、脂肪がエネルギーとして消費されやすくなります。

体脂肪の燃焼量が増加するため体内の脂肪が減少するのです。

また、カテキンは5~8%が胃や小腸から吸収され、残りは消化管粘膜に残ったままになります。

吸収されなかったカテキンには、小腸からの脂肪の吸収を阻害する効果があり、過度な脂肪の吸収を抑制する役割も果たします。

お茶のカテキンについてもっと知りたい方はこちらもどうぞ

茶カテキンの効果とは?

カフェイン

カフェインを摂取すると、ノルアドレナリンなどの興奮を伝達する神経伝達物質が放出されます。

交感神経が活発になり血流の増加・基礎代謝が向上し、体のエネルギーが燃焼されやすい状態になり脂肪が減少します。

カフェインによる体重減少の効果は、標準的な体重の人にはあまり効果が見られない一方、肥満の人には効果が出やすい傾向にあるようです。

最近では、緑茶とコーヒーを割って飲むといった方法も注目を集めています。

お茶の種類によっては、コーヒー以上にカフェインを多く含んでいるものもあり、飲む量によっては過剰摂取に繋がる恐れもあるので注意しましょう。

お茶に含まれるカフェインについてもっと知りたい方はこちらもどうぞ

お茶と茶菓子

緑茶のカフェインの量と健康への影響は?目安をご紹介!

どのぐらい飲めばダイエットに効果があるの?

粉末茶

1日あたり、500~600mgのカテキンを継続して摂取することで、体脂肪の燃焼が促進され、4~12週間程度で効果現れはじめるとされています。

カフェインの効果は個人差が大きいですが、50mg程度から効果が出始めることが分かっています。

湯呑1杯の煎茶に含まれるカテキンとカフェインの量は、カテキンが約100mg、カフェインが約24mgです。

よって、1日当たり5杯程度のお茶を飲むことで、緑茶による脂肪燃焼効果を得られます。

お茶を飲むと、2時間程で血液中のカテキンの濃度は最大に。

そこから徐々に低下していき、12時間程で完全になくなります。

カテキンによる脂肪燃焼効果を得るために、血液中のカテキンの量を一定以上に保つにことが大切です。

一度に大量のお茶を飲むより、少量を何回かに分けて飲む方が良いと言われています。

一方で、カフェインは摂取後30~45分ほどで血液中の濃度は最大になり、半減するまでの時間は2~8時間程度です。

人によって幅があるため、カフェインの代謝に時間がかかる人は、過剰摂取を避けるためにお茶を飲む間隔を長くした方がよいでしょう。

まとめ:飲み過ぎにはご注意を!

カフェインに覚醒作用があることは広く知られています。

睡眠時間の短縮や睡眠を浅くする作用があり、就寝前6時間以内のカフェインの摂取は避けた方がよいと言われています。

また、カフェインは中枢神経に作用するため、摂取し過ぎると中枢神経を過剰に刺激し、頭痛やめまいなどの不調の原因になることも。

日本では農林水産省などがカフェインの過剰摂取について、注意を呼び掛けているものの、国内の公的機関から健康に悪影響を及ぼさないカフェイン摂取量の上限は、公表されていません。

国外ではいくつかの機関から示されています。

例えば、欧州食品安全機関によると、健康な成人の摂取量の上限は400mgとされています。

煎茶を約16杯以上飲むと、カフェインを摂り過ぎる恐れがあるので注意しましょう。

また、国外では高濃度のカテキンサプリメントの過剰摂取による肝機能障害によって、臓器移植が必要になった事例も。

欧米の一部の国では、カテキンサプリの販売に規制を設けている国もあります。

日本人は、緑茶からカテキンを摂取しているケースが多いため、国内で同様の例はないようですが注意した方が良いでしょう。

緑茶による体脂肪減少は代謝が活発になることで、体が脂肪を燃焼しやすい状態になることによって得られる効果です。

より効率的に脂肪を燃焼させるために、適度な運動を取り入れてみてはいかがでしょうか?

参考

(社)静岡県茶業協議会 茶学術研究会編 知らなきゃソンするお茶のこと10のひみつお茶の効用を科学する(最新版)
http://shizuoka-cha.com/files/3113/8175/7618/10secrets_of_green_tea.pdf

東京福祉大学教育学部 コーヒー/カフェイン摂取と生活-カフェインの精神運動刺激作用と行動遂行-
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/handle/10087/10730

昭和大学薬学部社会健康薬学講座医薬品評価薬学部門 茶ポリフェノールの多機能生理作用
https://lilitory.showa-u.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3566&item_no=1&page_id=15&block_id=20

東北大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 ポリフェノールの経口摂取 と生体内抗酸化作用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nogeikagaku1924/73/5/73_5_532/_article/-char/ja/

ウィキペディア カテキン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%AD%E3%83%B3