意外と知らない…緑茶ってどんなお茶?

意外と知らない…緑茶ってどんなお茶? 緑茶の種類

意外と知らない…緑茶ってどんなお茶?

日本人にとってなじみの深い緑茶ですが、蒸し製法と釜炒り製法の違いや、本茶と出物の違いについて疑問に思ったことはありませんか?この記事ではそういった緑茶に関する疑問をスッキリさせるため、緑茶がどのようなお茶なのかについてご紹介していきます。 

緑茶は不発酵茶

お茶には茶葉を発酵させるものと、発酵させないものがあり、緑茶は茶葉を発酵させない不発酵茶と呼ばれる種類のお茶です。 茶葉には酸化酵素は含まれており収穫後は、この酵素の働きによって発酵が進んでいきます。

緑茶の製造工程には、収穫後すぐに茶葉に熱を加えて、酵素を不活性化する殺青(さっせい)という工程があり、茶葉を全く発酵させないため、出来上がるお茶には葉の色が残っており緑色になります。

緑茶には蒸し製法と釜炒り製法がある

緑茶には蒸し製法と釜炒り製法がある

緑茶の殺青の方法には蒸気で熱を加える方法と、釜で炒って熱を加える方法の2種類があり、今日では蒸気を使って殺青を行うのが主流になっています。

蒸し製法

蒸し製法は蒸気の熱で殺青を行う方法で、多くの日本茶がこの方法で製造されています。蒸し時間は緑茶の種類によって異なり、代表的な緑茶である煎茶では40秒ほど茶葉を蒸します。

日照時間の長い、平野部で栽培されたお茶の葉は肉厚で、通常の蒸し時間では味が出にくいため、茶葉を柔らかくするために、煎茶の2倍から3倍ほどの時間をかけて蒸す製法があり、これは深蒸し製法と呼ばれています。

蒸し製法で製造される緑茶

蒸し製法で製造される緑茶には、煎茶や深蒸し茶以外にも玉露やかぶせ茶、番茶、 抹茶の原料となる碾茶、蒸し製玉緑茶などがあります。

釜炒り製法

釜炒り製法は鉄製の釜で、茶葉を炒って殺青を行う方法で、元々は中国茶の製造で用いられていました。釜炒り製法で生産される日本茶は少ないですが、佐賀県の嬉野などでは、一部で釜炒り製法が用いられています。

釜炒り製法で製造される緑茶

釜炒り製法で製造される緑茶には、釜炒り製玉緑茶があります。緑茶の製造工程には、茶葉を風で乾燥せながら揉む「揉捻」という工程があり、釜炒り製玉緑茶では殺青だけではなく「柔捻」の際も、釜で炒って茶葉を乾燥させます。

釜炒り茶は煎茶とどう違う?

釜炒り茶は煎茶とどう違う?

緑茶は本茶と出物に分けられる

緑茶は本茶と出物に分けられる

本茶

緑茶は「荒茶」を「選別」→「火入れ」→「合組(ブレンド)」して作られますが、「選別」の工程では、煎茶や玉露などになるメインの葉っぱの部分を「本茶」、それ以外の部分の「出物」とに選別されます。

出物

出物は選別によって取り除かれた、茎や細かい茶葉を集めて作られる緑茶のことで、本茶と比べると見た目の悪さから安価な物が多いですが、品質が劣るわけではありません。出物は本茶と同じ茶葉から作られているため、その味わいは本茶にも劣りません 。

粉茶

粉茶は本茶を製造する過程で出た細かい茶葉を集めたものです。茶葉が細いため味が出やすく濃厚な味わいが特徴ですが、味が出やすい反面、煎茶などのように複数回淹れることはできません。

粉茶と粉末緑茶の違いとは?【抹茶とも違う粉の緑茶】

粉茶と粉末緑茶の違いとは?【抹茶とも違う粉の緑茶】

茎茶

 茶葉にはテアニンと呼ばれるアミノ酸の一種が含まれており、これはほのかな甘みを感じさせる成分で、葉よりも茎の部分に多く含まれています。茎茶は茶葉の茎の部分を集めた緑茶のことで、甘味を感じさせる味わいが特徴です。

茎茶とかりがねの違いとは?

茎茶とかりがねの違いとは?

芽茶

芽茶は新芽茶葉の先端の丸まった部分のみを集めたお茶で、一度に取れる量が少ない貴重な緑茶です。 水分量が多く丸まっているものほど品質が高く、味が出やすいとされています。芽茶の原料は、煎茶や玉露で使われている茶葉と同じもので、濃厚な旨味が芽茶の特徴です

芽茶は高級緑茶にも劣らない味わいの緑茶【7つの魅力】

芽茶は高級緑茶にも劣らない味わいの緑茶【7つの魅力】

二次加工品の緑茶

二次加工品の緑茶

ほうじ茶や玄米茶は番茶や煎茶を加工したもので、二次加工品に分類されます。

ほうじ茶

「焙じ」とは焙煎することを意味し、ほうじ茶の名前の通り番茶や煎茶を高温で炒って作られるお茶です。炒ることで香ばしくさっぱりとした味わいになり、茎がブレンドされたものは甘味も感じられます。また、熱を加えることによりカフェインも少なくなっています。

ほうじ茶の8つの魅力とは?

ほうじ茶の8つの魅力とは?

玄米茶

玄米茶は、煎茶や番茶と同量の米をブレンドしたお茶で、「玄米」茶という名前ではありますが、実際にはもち米や白米をブレンドしている玄米茶も多く見られます。ブレンドされる米には、きつね色になるまで炒ったものと、米菓子のように爆ぜさせた「花」の2種類があり、玄米茶の香ばしさは炒った方の米によるものです。

玄米茶ってどんなお茶?【家庭でも作れるってホント?】

玄米茶ってどんなお茶?【家庭でも作れるってホント?】

まとめ

まとめ
  • 緑茶は収穫後すぐに茶葉に熱を加えて発酵を止めたお茶。
  • 緑茶のほとんどは蒸し製法で製造される。
  • 釜炒り製法のルーツは中国茶の製法にあり、嬉野などの一部の産地で用いられている。
  • 本茶は煎茶や玉露などになるメインの葉っぱの部分のこと。
  • 出物は製造工程で本茶から選別された、細い茶葉や茎を集めた緑茶。
  • ほうじ茶や玄米茶は、番茶や煎茶を加工した二次加工品の緑茶。

緑茶がどのようなお茶なのかについてご紹介しましたが、気になるお茶があればぜひ一度試しに飲んでみてはいかがでしょうか? 

当サイト併設のオンラインショップ雅では、農林水産省大臣賞を受賞した茶園管理技術によって栽培された、高品質な新芽茶葉を使用した知覧茶を販売しておりますので一度是非ご覧ください。

【知覧茶・かごしま茶専門店】オンラインショップ雅

新茶を使用したおすすめの知覧茶銘柄【2019年版】

新茶を使用したおすすめの知覧茶銘柄【2019年版】

番茶とは?【ほうじ茶との違いは?】

番茶とは?ほうじ茶との違いや特徴、地域独自の番茶について解説

抹茶と緑茶の違いとは?

抹茶と緑茶の違いとは?