日本茶とは?
日本茶はどのようなお茶なのかについて解説していきます。
日本で生産されるお茶
「日本茶」は明確な定義があるわけではなく、日本で生産されたお茶や日本でよく飲まれているお茶を指す言葉として用いられます。
日本国内で生産されるお茶のほとんどは緑茶ですが、一部では緑茶以外のお茶も生産されています。
お茶は発酵の度合いに応じて、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができますが、緑茶は茶葉を全く発酵させない不発酵茶です。
日本茶の歴史
日本茶の歴史は、平安時代にまでさかのぼります。
遣唐使が唐からお茶の種を持ち帰り、まいたのが始まりとされ、日本に伝わった当初は嗜好品ではなく薬として扱われていました。
現在、最も生産されている日本茶は煎茶で、煎茶の原型が完成したのは江戸時代に入ってからです。
宇治の永谷宗円が「青製製茶製法」を開発し、味の良さが評判を呼び各地にその製法が広がり現在に至ります。
日本茶の効能
日本茶は、健康的な飲み物として近年注目を集めています。
日本茶にはさまざまな健康に良い成分が含まれていますが、中でもカテキンはお茶の茶に多く含まれる成分です。
カテキンには脂質の吸収を抑制する効果や、抗酸化作用によって動脈硬化を予防する効果が期待されています。
また、日本茶を飲むとカフェインによって代謝が活発になり、体内のエネルギーが消費されやすい状態になります。
カテキンとカフェインの上記のような効果から、ダイエットに効果があると期待されています。
日本茶の主な産地
日本茶は全国各地で生産されていますが、その中でも特にお茶の生産が盛んな産地について解説します。
静岡県
日本茶の生産量が最も多いのが静岡県です。
静岡茶は日本三大銘茶のひとつに数えられ、昔からお茶どころとして知られていました。
また、深蒸し茶の発祥地としても知られています。
京都府
京都府は古くから日本のお茶文化の中心地として発展してきました。
京都で生産される宇治茶は、静岡茶や狭山茶と同様に日本三大銘茶のひとつとして知られています。
特に抹茶や玉露は、全国茶品評会で入賞するほど高品質です。
鹿児島県
鹿児島県は全国で2番目にお茶の生産量が多い県です。
温暖な気候から、日本で最も早く新茶の収穫が始まり、収穫時期の早さから鹿児島の新茶は、走り新茶とも呼ばれています。
ほかの地域と比較すると、長い期間お茶を収穫できるのも特徴です。
南九州市で生産される知覧茶は、高級茶のブランドとして知られています。
日本茶の種類
日本茶には実に多くの種類が存在しますが、その中でも特に生産が盛んな日本茶の種類をご紹介します。
煎茶
煎茶は、生産量が最も多い日本茶です。
煎茶は茶葉を蒸した後、茶葉を乾燥させながら揉んで作られます。
もともとは手揉みで作られていましたが、現在では機械で作るのが一般的です。
生産量は少ないものの、手揉みの煎茶も一部で生産されています。
抹茶
抹茶は碾茶(てんちゃ)を粉末にした緑茶の一種です。
碾茶とは茶葉を蒸した後、そのまま乾燥させたお茶で、煎茶と異なり茶葉を揉む工程がありません。
抹茶は、この碾茶を臼で挽いて作られますが、粉末にするとお茶の風味が長持ちしないため、碾茶の状態で保管しておき、出荷前に粉末にするのが一般的です。
ほうじ茶
ほうじ茶は、煎茶や番茶を高温で焙煎したお茶です。
一度完成したお茶を、再度加工することから2次加工品のお茶に分類されます。
焙煎によって生まれる香ばしい香りが特徴で、高温を加えることによってカフェインが少なくなることから、刺激の少ない日本茶としても注目されています。
玉露
玉露の製造工程は、煎茶に似ていますが茶葉の栽培方法が煎茶と異なります。
玉露用の茶葉は、収穫前に20日程日光を遮って栽培されます。
これは日光を遮ることで渋み成分であるカテキンを少なくし、テアニンという旨味成分を増加させるためです。
玉露よりも、日光を遮る期間を短くしたかぶせ茶という日本茶も存在し、こちらは玉露と煎茶の中間の味わいになります。
出物
出物(でもの)とは、日本茶の製造工程で本茶と選別された茎などを使ったお茶のことです。
出物には、茎茶、芽茶、粉茶などいくつかの種類が存在します。
安価で販売されていることが多いですが、本茶と同じ工程で製造されているため、お茶としての品質が低いわけではありません。
中には高級な出物も存在し、玉露の製造工程で出た茎は、雁ヶ音という高級な茎茶になります。
日本茶の入れ方
日本茶にはさまざまな種類があることは先にご紹介したとおりですが、中でも最も基本的な煎茶の入れ方を解説します。
【分量(3人分)】
- 煎茶 6g
- お湯 240ml
【入れ方】
- 沸かした急須にお湯を注ぎ、急須から湯呑みにお湯を移す
- 急須に余ったお湯を捨て、煎茶を急須に入れる
- 湯呑の湯を急須に戻す
- 約30秒待つ
- 少しずつ湯呑に回し注ぎする
- 2煎目以降は、湯呑に沸かしたお湯を注ぎ、そこから急須にお湯を移す
2煎目は1煎目よりも味が出にくく、高温のお湯で入れる必要があるため、最初に湯呑にお湯を注ぎます。
抽出時間やお湯の温度が異なるものの、基本的には他の種類の日本茶も同じ方法で入れることができますので、煎茶の入れ方を覚えておくと良いでしょう。
まとめ
- 日本茶は、日本で飲まれているお茶を指す言葉
- 日本茶の多くは、茶葉を発酵させない不発酵茶
- 煎茶の入れ方を覚えておくと他の種類の日本茶にも応用できる
日本茶がどのようなお茶なのかについてご紹介してきました。
一口に日本茶と言っても、さまざまな種類が存在するほか、同じ種類のお茶であっても産地によってその味わいは異なります。
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