緑茶と烏龍茶の違いとは?原料や発酵の違いについて解説!

原料は同じ?緑茶と烏龍茶は何が違うのか 緑茶の種類

緑茶も烏龍茶も日本人にとっておなじみのお茶で、どちらも飲んだことがあるという方が多いかと思います。

全く違う種類のお茶ですが、実は同じ茶の木の葉から作られているお茶だということはご存知でしょうか?

この記事では、なぜ緑茶と烏龍茶は同じ茶葉を原料としながら、全く違う種類のお茶になるのかを解説していきます。

緑茶と烏龍茶の違いは発酵の度合い

緑茶と烏龍茶は同じ茶の木の葉を原料としていますが、発酵の度合いが違うため全く違う種類のお茶になります。

緑茶は全く茶葉を発酵させない不発酵茶、烏龍茶は茶葉を適度に発酵させた半発酵茶に分類されます。 

そのほか、茶葉を完全に発酵させたお茶のことを発酵茶と呼び、紅茶などが発酵茶に分類されます。

中国茶には烏龍茶を始めとする半発酵茶よりも、発酵の度合いを弱くした弱発酵茶と呼ばれる種類のお茶も存在します。

緑茶ってどんなお茶?

まずは緑茶がどのように作られるのか、どのような種類の緑茶があるのかについて解説していきます。

お茶の木の葉から作られる

緑茶は茶の木の葉を原料とするお茶で、茶の木はツバキ科の植物です。茶の木にもさまざまな品種があり、日本で最も多く栽培されている品種は「やぶきた」で、日本国内で栽培されている緑茶の約75%を占めています。

緑茶は茶葉を発酵させない不発酵茶

収穫後の茶葉は酸化酵素の働きによって発酵が進むため、放っておくと緑色から赤茶色へと変化し、香りや味も変わっていきます。

緑茶は茶葉に熱を加えることで酸化酵素の働きを止めて作られるお茶で、茶葉を全く発酵さないため不発酵茶と呼ばれる種類のお茶になります。

発酵を止めるため茶葉本来の味や香りが味わえ、葉の緑色が残ったままになります。

緑茶の種類

一言に緑茶といってもさまざまな種類がありますが、その中でもいくつか代表的な緑茶をご紹介します。

煎茶・番茶

煎茶は緑茶の中でも最も一般的な方法で製造される緑茶で、発酵が始まる前に茶葉を蒸して作られます。

その後乾燥させながら茶葉を揉み、形を整えて粗茶を作り、粗茶のブレンド・火入れを行い製品が完成します。

番茶も同様の方法で作られますが、番茶は新茶ではなくそれ以降に収穫された2番茶・3番茶を原料としています。

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玉露

玉露の製造工程も煎茶に似ていますが、最も大きな違いは原料の茶葉にあります。

玉露用の茶葉は収穫前に一定期間日光を遮って栽培され、これにより旨味が濃厚な茶葉になります。

玉露は緑茶の中でも高価な種類のお茶で、京都や八女のものが有名です。

ほうじ茶

ほうじ茶は番茶を原料とする緑茶で2次加工品に分類されます。

番茶を焙煎して作られ、ほかの緑茶と比べるとカフェインが少ないことから、低刺激な緑茶として知られています。

抹茶

抹茶はここまで紹介した緑茶とは作り方が大きく異なっており、ほとんどの緑茶が茶葉を揉んで作られるのに対し、抹茶は茶葉を揉まずに作られます。

茶葉を蒸した後乾燥させ、葉と茎の部分を選別し、さらに乾燥させると碾茶(てんちゃ)が出来上がります。

この碾茶を臼で挽いて粉末にしたものが抹茶になります。

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烏龍茶ってどんなお茶?

烏龍茶ってどんなお茶?

烏龍茶は中国茶の一種である青茶に分類されるお茶で、中国のほか台湾でも生産されています。

緑茶の原料や作り方を踏まえた上で、烏龍茶がどのように作られるのか、どのような種類があるのかについて解説していきます。

烏龍茶の原料も緑茶と同じ

烏龍茶も緑茶と同じ茶の木の葉を原料としていますが、福雲や水仙といった烏龍茶用の品種から作られます。

中でも水仙は生産される烏龍茶全体の約半分を占める代表的な品種です。

中国南部の福建省や広東省などが主な産地で、台湾でも生産されています。

烏龍茶は半発酵茶発酵

烏龍茶は収穫後に茶葉をしおれさせる萎凋(いちょう)と呼ばれる工程があります。

しおれさせた後はかごに入れて茶葉同士を擦り合わせ茶葉の発酵を促します。茶葉が完全に発酵する前に釜で炒って熱を加えて発酵を止めます。

烏龍茶は茶葉を適度に発酵させて作られることから、半発酵茶と呼ばれる種類のお茶に分類されます。

烏龍茶の種類

烏龍茶の種類

緑茶と同じように烏龍茶にもさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な烏龍茶をご紹介します。

水仙

烏龍茶の中でも生産量の多い種類の1つで、中国福建省の閩江流域で生産される烏龍茶です。

同じ水仙でも、この川を隔てた南と北では製造方法や茶葉の見た目も大きく異なるという特徴があります。

鉄観音

福建省で生産される烏龍茶の一種で、烏龍茶の中では古くから生産されている種類です。

世界的に人気がありますが、生産量が少く高級な烏龍茶として知られています。

まとめ

まとめ
  • 緑茶も烏龍茶も同じ茶の木の葉を原料が原料。
  • 緑茶は茶葉を全く発酵させずに作る不発酵茶。
  • 烏龍茶は茶葉を適度に発酵させる半発酵茶。

緑茶と烏龍茶はどちらも日本人にとってなじみ深いお茶ですが、茶葉の発酵の度合いに違いがあるということは意外と知られていないのではないでしょうか?

このような違いを知った上で緑茶や烏龍茶を飲むと、お茶の味わいもまた違ったものになるかと思います。

飲み比べてみると新しい発見があるかもしれませんので、興味のある方はぜひ緑茶と烏龍茶を一緒に飲んでみましょう。 

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参考

農林水産省 第4節 主要農畜産物の生産等の動向(7)茶
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h25/h25_h/trend/part1/chap2/c2_4_07.html