新茶とは
新茶とはその年に育った最初の茶葉を摘み取って作ったお茶のことで、一番茶とも呼ばれ、茶葉は1年のうちに何度か摘み取られますが、新茶の後に収穫したお茶は、収穫した順に二番茶・三番茶と呼ばれます。
産地別の新茶の時期
新茶が収穫される時期は地域によって少し異なりますが、温暖な地域ほど収穫の時期が早くなる傾向にあり、概ね4月~5月の時期に収穫されます。
鹿児島茶
3月末から4月中旬頃
お茶の生産量は静岡県に次いで全国2位を誇り、90年代から「かごしま茶」というブランド名が用いられるようになりました。
温暖な気候により最も早い時期から収穫が始まり、4月前半から「走り新茶」として流通し、特に種子島では鹿児島県本土よりもさらに収穫が早く、3月下旬から収穫され日本一早く出回ることから「大走り新茶」と呼ばれています。10月頃までお茶の生産が続き、出荷期間が長いという特徴があります。
薩摩半島南部の南九州市から枕崎市にかけて広がる南薩台地が最大の生産地であり、知覧茶の産地として知られる南九州市もこの地域に属します。
宮崎茶
4月中旬から5月上旬頃
宮崎茶も温暖な気候から収穫の時期が早く、4月中旬頃から新茶の収穫が始まり、都城・串間川・南・高千穂・五ヶ瀬が主な生産地です。
嬉野茶(佐賀県・長崎県)
4月中旬頃
嬉野茶は、佐賀県嬉野市から長崎県東彼杵町付近の地域で生産されるお茶で、伝統的な中国式製法の釜炒り技法によって、製造されたお茶は玉緑茶とも呼ばれ、あっさりした味わいで飲みやすいのが特徴です。
八女茶(福岡県)
4月中旬から5月上旬頃
筑紫平野南部の八女地方で栽培されるお茶で、新茶の収穫は5月の上旬に最盛期を迎えます。
この地域は昼夜の寒暖差によって霧が出やすく、適度に日光を遮ることで独特のコクと旨みのある茶葉が育ちやすく、高級玉露で有名な生産地でもあります。
丹波茶(兵庫県)
5月中旬頃
丹波地方で生産されるお茶で、日本一平均気温の低いお茶の産地と言われ、朝から昼にかけて発生する丹波霧により。適度に日光が遮られることによって、お茶の甘味・旨味が強いお茶が育ちます。
宇治茶(京都府)
4月下旬頃
宇治茶とは京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4県で生産された茶葉を、京都府内の業者が京都府内において、宇治地域に由来する伝統的な製法により加工したお茶のことで、日本三大銘柄茶のひとつに数えられ、高級銘柄としても有名です。
江戸時代の製茶家であった永谷宗円が開発した青製煎茶製法により広く知られるようになりました。
伊勢茶(三重県)
4月中旬から5月上旬頃
伊勢茶とは三重県で生産されるお茶の総称で、三重県産100%緑茶のことで、鎌倉時代から栽培が行われていたことが伝えられています。
中南勢地域では高台山脈、赤目・室生山系等の山間部の気候を生かし、深蒸し茶の生産が盛んに行われ、鈴鹿山脈山麓の北勢地域では、遮光して旨味成分を増加させたかぶせ茶の生産が盛んで、かぶせ茶の生産量は全国1位です 。
白川茶(岐阜県)
5月上旬頃
白川茶は岐阜県加賀郡白川町・東白川町で生産されるお茶で、木曽川水系飛騨川の支流沿いの傾斜地で生産され、朝夕には川霧が発生する標高の高い場所に茶畑があるため、まろやかな風味と強い香りと旨味が特徴です。
静岡茶
4月中旬から5月中旬頃
全国1位の生産量を誇る国内最大の生産地で日本三大銘柄の一つに数えられ、深蒸し茶発祥の地でもあり、「本山茶」「川根茶」「掛川茶」などが有名です。
狭山茶(埼玉県)
5月上旬から 5月下旬頃
日本三大銘柄の一つに数えられ、埼玉県西部と東京都西多摩地域を中心に生産されるお茶で、お茶の生産地としては寒冷な地域にあり、冬季には霜が降ることもある涼しい気候により、厚みのある茶葉が育ちます。
狭山火入れと呼ばれる伝統的な製法と厚みのある茶葉よって、少ない茶葉でも味が出やすく濃厚な甘みや香りを楽しむことができます。
奥久慈茶(茨城県)
5月中旬頃
安土桃山時代に左寛西寺の僧が、京都からお茶の実をお持ち帰り、栽培したことが始まりと言われ、鮮やかな色と強い香りや渋みが特徴です 。
村上茶 (新潟県)
5月下旬頃
商業茶園北限のお茶として独自のブランド化に成功しているお茶で、江戸時代初期から栽培されはじめ400年以上の歴史があり、他の地域より日照時間が少ない環境で育つため、甘みが強いのが特徴です。
参考
5分でわかる鹿児島茶 公益社団法人鹿児島県茶業協議会
http://www.ocha-kagoshima.jp/information/tokucho.html
鹿児島お茶マップ 鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/ag06/ochamap.html
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org
福岡県茶業振興推進協議会 八女茶の特徴・歴史
http://www.fukuoka-yamecha.jp/whats/
三重県茶業会議所 伊勢茶とは
http://www.mie-isecha.org/sub1/sub1.html
奥久慈茶 大子町
http://www.town.daigo.ibaraki.jp/page/page000034.html
北限の茶、村上茶の現状とその魅力について
https://www.nagaokauniv.ac.jp/wp2014/wp-content/uploads/2013/12/063_rk_yamakawa.pdf
愛する「日本茶」の本 さくらmook 今井久雄