八十八夜とお茶の関係とは?

八十八夜とお茶の関係とは? 緑茶の雑学

八十八夜とお茶の関係とは?

八十八夜とお茶の関係とは?

八十八夜とお茶の間には深い関係があるということをご存知でしょうか?この記事では八十八夜とお茶の関係について解説する他、その時期のお茶と他の時期のお茶の違いについてもご紹介していきます。

八十八夜とは?

八十八夜は雑節の一つで、雑節とは季節の移り変わりを把握するための節目で、八十八夜の他には節分、彼岸、土用、二百二十日などがあります。八十八夜は春分の日から起算して88日目のことで平年では5月2日、閏年では5月1日が八十八夜にあたります。

八十八夜は農家にとって重要な節目で、「八十八夜の霜別れ」という言葉があり、霜の発生がなくなり始めることを表しており、作物の種を蒔き始めたり、苗付けを始める時期の目安とされてきました。

八十八夜とお茶

お茶の一年

八十八夜の時期がお茶にとってどのような時期なのかをご紹介します。

主な作業:施肥、整枝(お茶の木の表面を刈り揃えて均一にする)、防霜(ファンで風を送るなどして茶葉に霜が着くのを防ぐ)、新茶(一番茶)の収穫

お茶の状態:発根、新茶萌芽~生育、二番茶萌芽

主な作業:施肥、二番茶の収穫、三番茶の収穫

お茶の状態:二番茶萌芽~生育、三番茶萌芽~生育

主な作業:施肥、整枝

お茶の状態:発根盛期

主な作業:敷き草

お茶の状態:休眠

八十八夜の頃は新茶のシーズン

お茶は1年に3回から4回収穫されますが、4月から5月頃にかけての時期はその年に育った最初の茶葉が収穫されるシーズンで、この時期の茶葉は新茶(一番茶)と呼ばれます。新茶は茶葉の中でも最も品質の良いもので、八十八夜の頃はお茶の旬なのです。

八十八夜摘みを謳っているお茶は、この日に収穫された新茶が原料に使われていることを意味しています。地域によっては昔ながらの方法で八十八夜にお茶を摘むイベントも開催されます。

新茶の時期は何月?【産地別にご紹介】

八十八夜摘みのお茶は縁起物

八十八夜を過ぎるとその年の初物のお茶が出回り始め、この時期に摘まれたお茶を飲むと病気をしない、長生きできるといわれ、古来より縁起物とされてきました。現在も温暖な地域では4月の初旬頃から新茶が収穫された後、茶葉の取引が始まり5月初旬頃までには店先に並び始めます。

新茶と他のお茶の違い

新茶はその年の一番最初に収穫されるお茶であることから一番茶とも呼ばれ、それより後に生産されるお茶は二番茶・三番茶と呼びます。新茶と二番茶・三番茶にはそれぞれ異なる味わいがあります。

テアニンとカテキンの量の違い

テアニンはアミノ酸の一種で、お茶の旨みや甘みを感じさせる成分で新茶に多く含まれ、お茶の木の根で作られた後葉に移動します。一方カテキンは二番茶・三番茶に多く含まれ、お茶の渋みを感じさせる成分で、茶葉に含まれるテアニンが日光に当たることで生成されます。この2つの成分の含有量の違いが新茶と二番茶・三番茶の味に違いを生み出す一因になっています。

味の違い

新茶は二番茶・三番茶に比べテアニンが多く含まれる一方、カテキンが少ないためほのかに甘みのある味わいになります。二番茶・三番茶から作られたお茶はテアニンが少なくカテキンが多いことから、新茶よりも渋みを感じやすいお茶になります。

なぜ新茶の味は他のお茶と違うのか?【新茶の味を引き立てる淹れ方もご紹介】

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香りの違い

新茶は若く柔らかい葉であるため、新茶から作られる緑茶には若葉特有の爽やかな香りがあります。

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淹れる温度を変えることで味わいが変わる

緑茶の味わいを構成する主な成分には、テアニンなどのアミノ酸、カテキン、カフェインがあり、カフェインはお茶の苦味を感じさせる成分です。これらの成分は水に溶け出しやすい温度が異なるため、お茶を入れる温度を変えることで同じ新茶であっても異なる味わいになります。

カフェインやカテキンはお湯の温度が高ければ高いほど、水に溶け出しやすいという性質があり、水の温度が低い場合は、水への溶け出し方が緩やかになります。テアニンはそれら二つの成分と比べると、低い温度でも水に溶けやすい性質があります。

熱めのお湯で淹れる

熱めのお湯で入れると前述の成分が全て溶け出しやすくなり、旨味の中に程よい渋みを感じることができるお茶になります。新茶特有の爽やかな香りをより引き立てたい場合も、温度が高い方が香りが立ちやすくなります。

ぬるめのお湯で淹れる

ぬるめのお湯で新茶を淹れた場合、カフェインやカテキンよりテアニンが溶け出しやすい状態になるため、甘味を感じやすいお茶になります。新茶の淹れ方についてより詳しく知りたい方は以下の記事も是非ご覧ください。

新茶を淹れる温度はどのぐらい?【温度別に3つの方法で新茶を楽しむ!】

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まとめ

まとめ

・八十八夜は雑節の一種で、春分の日から起算して88日目の日。

・八十八夜に摘まれた茶は縁起物とされてきた。

・八十八夜の時期は新茶のシーズンであり、八十八夜=お茶の旬。

八十八夜の頃は美味しいお茶が飲めるようになるシーズンとも言え、初物のお茶が出回り始めます。この時期のお茶ならではの味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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参考

日本茶の事典 スタジオ タック クリエイティブ

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org