緑茶の効能にはどんなものがあるの?

緑茶にはどんな効能があるの? 緑茶と健康

緑茶の効能にはどんなものがあるの?

緑茶の効能にはどんなものがあるの?

健康に良いと言われている緑茶ですが、その理由は緑茶に含まれる茶カテキンの効用によるところが大きく、カテキンには抗酸化作用や代謝を上げる作用があります。

カテキン以外にもビタミンCやビタミンB2、カフェインなども含まれ私たちの体に様々な効果をもたらします。

動脈硬化予防

動脈硬化は高血圧などの原因によって血液の内側が傷つけられ、その傷に酸化した悪玉コレステロールが沈着することで引き起こされますが、緑茶に含まれるカテキンやビタミンC・ビタミンB2などといった抗酸化作用のある成分の働きによって、この悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。

さらにカテキンには腸から吸収されるコレステロールの量を減少させる作用や血圧上昇酵素の働きを阻害する作用があり、 脳梗塞や心筋梗塞などの予防が期待できます。

糖尿病予防

緑茶を1日6杯以上飲む人は、飲まない人に比べて2型血糖病を発症するリスクが低下するという調査があり、カテキンには小腸でのグルコースの吸収を阻害する作用があり、血糖の上昇を抑制する効果があります。

虫歯予防

虫歯菌は砂糖から粘着性グルカンという物質を作り、これが他の微生物とともに歯に付着すると歯垢なります。

歯垢の中では酸が作られ、これによって歯のエナメル質が溶かされることで虫歯ができますが、カテキンには虫歯菌に対し抗菌性があり、グルカン作る酵素の働きを抑える作用があることが分かっています。

集中力向上

緑茶には覚醒作用や注意力を向上させる作用があり、これはカフェインによるもので75mgのカフェインを摂取すると注意力が向上したとするという調査があります。

日常的にカフェインを摂っている人は、そうではない人に比べ多く摂らなければ効果が出ないことが分かっています。

体脂肪減少

食事で脂肪を摂取すると、膵臓から分泌される消化酵素によって脂肪は分解された後、小腸から吸収され血管に入っていきますが、血液中の中性脂肪が多い状態が続くと体脂肪や内臓脂肪が蓄積され肥満の原因になります。

カテキンには膵臓から分泌される消化酵素の活性を抑える作用があり、脂肪の分解が緩やかになることで血液中の脂肪の量が上昇するのを抑制する効果があります。

また、カテキンの作用によって代謝が活発になると、エネルギーとして消費される脂肪の量が増加し体脂肪を減少させる効果があり、体内の脂肪が多い人程脂肪の減少量が大きく、その効果は茶カテキンの摂取量と相関することが分かっています。

カテキンの他に緑茶に含まれるカフェインにも、脂肪を減少させる効果があり、カフェインを摂取すると血圧や脈拍・基礎代謝が増加し、エネルギーを燃焼しやすい状態になります。

しかし、緑茶の種類によってはカフェインを多く含むものがあり、カフェインの摂り過ぎは、睡眠の質の低下や中枢神経の乱れによる頭痛やめまいと言った症状を引き起こすため注意が必要で、健康な成人の一日当たりのカフェインの許容摂取量は400mgと言われています。

美容効果

緑茶には肌のハリを保つ効果と美白効果があり、これは緑茶に含まれるビタミンCによるもので、コラーゲンの生成に必要な成分で、コラーゲンには肌の水分の減少を防ぎ、肌のハリを保つ役割があります。

またビタミンCにはシミの元となるメラニンができるのを防ぐ効果や、 シミの色を薄くする作用があります。

がん抑制効果

がん細胞が増えるためには、がん細胞へ栄養を運ぶための血管が必要になりますが、 カテキンにはこの血管が作られるのに必要な物質の活性を、抑制する効果があることが分かっています。

細胞が体内のある場所から別の場所へ移動することを遊走と言い、がん細胞が遊走し、別の場所で増えることでがんは転移しますが、カテキンにはがん細胞の遊走を抑制する作用があることから、がん抑制に効果があると考えられています。

利尿作用

腎臓は血液中の老廃物などを取り除く役割があり、カフェインの働きによって血流が増加すると腎臓で作られる尿の量が増え、余分な塩分や水分を排出することでむくみの防止にもつながります。

骨粗鬆症予防

人間の骨は古くなった骨を溶かす破骨細胞と、新しい骨を作る骨芽細胞の働きによって、骨を維持する仕組みになっていますが、加齢などにより骨を作る量と溶かす量のバランスが崩れると骨粗鬆症になります。

カテキンには破骨細胞の活性を、抑制する作用がありこれにより骨粗鬆症になるのを予防することができます。

ストレス緩和

緑茶にはリラックス効果があり、これはテアニンという成分によるもので、 テアニンによる脳への影響を調べるため脳波を測定したところ、摂取して30から40分後にリラックスしていることを示すアルファー波の放出が増加したという調査があります。

これは脳で重要な働きをしているグルタミン酸とテアニンの化学構造が似ていることから、テアニンが脳内の神経伝達物質に作用したためと考えられています。

緑茶の上手な飲み方

緑茶の上手な飲み方

様々な効能を持つ緑茶ですが、飲んで2時間程度で血液中のカテキンの量はピークに達し、その後は徐々に低下していき12時間後には完全になくなるため、血液中のカテキンの量を一定に保つためには一度に大量に緑茶を飲むよりも少ない量を定期的に摂る方が良いと言われています。

また、カフェインによって睡眠を妨げられるのを防ぐために、就寝前6時間以内に緑茶を大量に飲むのは避けましょう 。

緑茶の種類にもよりますが、煎茶の場合は1日あたり5~6杯程飲むことで、カフェインの摂り過ぎを避けつつ、効果を得るのに必要な量の成分を摂ることができます。

茶カテキンの効果とは?

参考

茶ポリフェノールの多機能生理作用 昭和大学薬学部社会健康薬学講座医薬品評価薬学部門
http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/showa_jour_pharm/back_number/frdi8b000000ilk2-att/iwai.pdf

知らなきゃソンするお茶のこと 10のひみつ お茶の効用を科学する (社)静岡県茶業協議会 茶学術研究会編
http://shizuoka-cha.com/files/3113/8175/7618/10secrets_of_green_tea.pdf

コーヒー/カフェイン摂取と生活 - カフェインの精神運動刺激作用と行動遂行 - 東京福祉大学 教育学部
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/10730/1/Vol7-1_p5-17Kuribara.pdf

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