知覧で生産される6種類の緑茶
知覧茶は、爽やかな若葉系の香りが特徴と言われますが、お茶の種類によってその味わいは様々です。
上級煎茶のブランドとして知られる知覧茶ですが、知覧茶の産地である南九州市では、煎茶以外にも様々な緑茶が生産されています。この記事では知覧茶の種類についてご紹介していきます。
煎茶【1種類目】
知覧の煎茶は全国の品評会で高い評価を得ており、上級煎茶の産地として知られています。若葉の持つ爽やかな香りと鮮やかな水色(すいしょく)が特徴です。
煎茶は「蒸し」→「揉み」→「乾燥」→「選別」→「合組」という、日本茶の中では最もよく用いられる方法で製造されます。
収穫した茶葉は、放っておくと酸化酵素の働きによって発酵が進んでいくため、緑茶の製造では茶葉に熱を加えることで、茶葉の発酵を止めているのですが、煎茶と深蒸し茶と区別するために、普通蒸し煎茶とも呼ばれています。
深蒸し茶【2種類目】
知覧では煎茶だけでなく深蒸し茶の生産も行われ、濃厚な味わいと鮮やかな水色を特徴としています。また、深蒸しすることで茶葉の青臭さが少なくなるため、青臭い緑茶が苦手という方はこちらがおススメです。
深蒸し茶は、煎茶とほぼ同様の工程で製造されますが、煎茶が茶葉を40秒程蒸すのに対し、深蒸し茶では蒸し時間が2~3倍程長く、これにより茶葉が柔らかくなり、味が溶け出しやすくなります。
味の出やすさから、深蒸し茶は急須だけでなく水出しとも相性の良い緑茶で、水出して入れるとカテキンやカフェインなどの渋味・苦味成分が少なくなるため、甘味を感じられるお茶になります。
番茶 【3種類目】
その年の一番最初に収穫したお茶を一番茶(新茶)と呼びますが、それ以降に収穫されたお茶のことをまとめて番茶と呼びます。番茶も煎茶と同じ工程を経て製造される緑茶で、新茶から作られるお茶よりも、茶葉に含まれるカテキンが多く、さっぱりとした味わいです。
南九州市は鹿児島本土の南端に位置しており、温暖な気候から、お茶の生産期間も長く二番茶・三番茶だけではなく、4番茶・秋冬番茶まで生産されています。3月の末頃から新茶の収穫が始まり、11月頃までお茶の生産が続きます。
かぶせ茶【4種類目】
かぶせ茶は茶葉の収穫前に、お茶の木を被覆材で覆い、一定期間日光を遮って栽培される緑茶で、こうすることで茶葉に含まれるテアニンが多くなり、甘味を感じられる緑茶になります。
玉露用の茶葉に似た方法で栽培されますが、玉露ほど日光を遮る期間は長くありません。玉露と煎茶の中間のような味わいで、玉露の淹れ方・煎茶の淹れ方どちらでも楽しむことができます。
生産量は多くありませんが、南九州市では主に知覧で生産されています。
玉緑茶【5種類目】
煎茶や深蒸し茶等には「精揉」という、茶葉の形を細長く整える工程がありますが、玉緑茶にはこの 「精揉」の工程がなく、勾玉のような丸い形になるのため玉緑茶と呼ばれています。渋みの少ないまろやかな味わいが特徴で、生産量は少ないですが南九州市では頴娃で生産されています。
碾茶【6種類目】
碾茶とは抹茶の原料となるお茶で、碾茶を臼で挽いて粉末にしたものが抹茶になります。碾茶用の茶葉は、お茶の色を鮮やかにするために、収穫前にお茶の木に覆いをして、2週間程日光を遮って栽培されます。こうすることによって、茶葉のクロロフィルが増加し、深みのある緑色になります。
碾茶は、蒸し→撹拌→乾燥→つる切り→乾燥といった工程を経て作られ、先にご紹介した煎茶や深蒸し茶とは異なり、茶葉を揉まずに作られます。南九州市では主に知覧と頴娃で生産されています。
新茶から作られたものは色が鮮やかで、ほのかに甘みが感じられる味わいになります。
まとめ
- 知覧の煎茶は爽やかな香りと、鮮やかな水色が特徴。
- 知覧の深蒸し茶は、濃厚な味わいと鮮やかな水色が特徴 。
- 知覧茶は生産期間が長く、4番茶・秋冬番茶まで生産される。
- 生産量は少ないが、かぶせ茶も生産されている。
- 玉緑茶も少数ながら頴娃で生産されている。
- 碾茶の生産も行われ、南九州市では主に知覧と頴娃で生産されている。
知覧で生産されている緑茶の種類についてご紹介しましたが、特に煎茶や深蒸し茶は銘柄も多く選択肢が豊富なためおススメです。また、緑茶以外にもウーロン茶や紅茶の生産も行われおり、ネット上でも入手できますので、気になる方は探してみてはいかがでしょうか?
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参考