かぶせ茶の特徴【おすすめの淹れ方は?】

かぶせ茶の特徴【おすすめの淹れ方は?】 緑茶の種類

かぶせ茶の特徴【おすすめの淹れ方は?】

かぶせ茶の特徴【おすすめの淹れ方は?】

かぶせ茶は玉露と製造工程が似ているため、玉露とよく比較されますが違いがよく分からないという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。この記事ではかぶせ茶の特徴や玉露との違い、おすすめの淹れ方についてご紹介していきます。

かぶせ茶は被覆栽培

かぶせ茶はお茶の木の葉を原料とする煎茶の仲間で、煎茶との違いは収穫前に被覆を行うか行わないかにあります。被覆とは茶葉に覆いを被せ、茶葉に当たる日光を少なくすることで、煎茶は被覆を行わないのに対し、かぶせ茶は被覆を行い日光を一定期間遮って栽培されます。被覆を行う期間は地域や生産者によって若干の違いがありますが概ね一週間程度で、これにより茶葉は鮮やかな緑色になります。

旨味成分アミノ酸が豊富

茶葉にはテアニンと呼ばれるアミノ酸の一種が含まれていますが、このテアニンは日光に当たることでカテキンへと変化します。テアニンは甘味・旨味を感じさせる成分で、カテキンはお茶の渋味成分です。かぶせ茶は被覆によってテアニンが多く、カテキンが少なくなっているため、煎茶と比較すると旨味が強く渋味が少なくなります。

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カフェインも豊富

カフェインはさっぱりとした苦味を感じさせるお茶の成分で、茶葉に含まれるカフェインの量は茶葉に当たる日光を遮ることによって増加します。そのためかぶせ茶や玉露などの被覆を行なって栽培される緑茶にはカフェインが多く含まれます。

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青海苔のような「覆い香」

被覆栽培された緑茶には特徴的な香りがあり「覆い香」と呼ばれています。青海苔のような香りで、玉露もかぶせ茶同様に覆い香があり、茶葉に含まれるジメチルスルフィドという成分がその素になっていると言われています。

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玉露との違いは?

玉露もかぶせ茶と同じように栽培前に被覆が行われた後収穫され、ほとんど同じ方法で加工が行われます。

玉露とかぶせ茶の違いは被覆の方法にあり、玉露の被覆では棚が組まれ畑全体を覆うことで日光を遮るのに対し、かぶせ茶では被覆資材でお茶の木を直接覆うことで日光を遮ります。玉露では新芽が開き始めた時期に遮光率70~80%で遮光を行った後、一週間後に遮光率を95%程まで引き上げて栽培され、被覆は約20日間行われます。

かぶせ茶の場合は玉露よりも軽い遮光率で被覆が行われ、先にご紹介したように被覆する期間も短くなっています。

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玉露と煎茶の中間の味わい

かぶせ茶は玉露よりも被覆期間が短いため、玉露と煎茶と中間の味と言われます。これはテアニンの量が煎茶より多く玉露より少ないことと、覆い香の有無によるもので、淹れ方によって玉露寄りの味わいにしたり、煎茶寄りの味わいにすることができます。

主な産地

かぶせ茶の主な産地は三重県、奈良県、福岡県、佐賀県、鹿児島県などで、三重県の生産量が最も多く、次いで福岡県など九州での生産も盛んです。その他の地域でも生産量は少ないもののかぶせ茶を生産している業者も存在しているようです。

おすすめの淹れ方

おすすめの淹れ方

かぶせ茶は淹れる水の温度によって玉露寄りの味わい、煎茶寄りの味わいで楽しむことができます。これは茶葉に含まれる成分は、温度によって水への溶け出し易さが異なっているためです。

お湯で淹れる

煎茶寄りの味わいで飲む場合

高めの温度のお湯で淹れることによってカテキンなどの渋味成分が溶け出しやすくなり、煎茶寄りの味わいでかぶせ茶を飲むことができます。一人当たり2gの茶葉とお湯は80ml用意し、70°から80°程の温度で90秒程浸出させます。

玉露寄りの味わいで飲む場合

低めの温度のお湯で淹れることによって、水に溶け出すカテキンなどの渋味成分が少なくなり、玉露寄りの味わいでかぶせ茶を楽しむことができます。一人当たり3g程の茶葉と15ml程のお湯を用意し、約50°の温度で2分程浸出させます。

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水出しで淹れる

水出しで淹れた場合も、水に溶け出すカテキンなどの渋味成分やカフェインなどの苦味成分が少なくなるため、旨みや甘みを感じやすくなります。水1Lに対し10gの茶葉を用意し、お茶パック入れた茶葉を麦茶ポットなどに入れ、冷蔵庫で冷やしながら半日ほど浸出させます。また、水出し茶専用のボトルを使って淹れる方法もあります。

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まとめ

まとめ

・かぶせ茶は玉露と同じように被覆を行うが、期間は短く日光を遮る度合いも弱い。

・かぶせ茶には煎茶と比較し、旨味成分であるアミノ酸が多く含まれ、 渋み成分であるカテキンは少ない。

・覆い香という青海苔のような香りがある。

・かぶせ茶は玉露と煎茶の中間のような味わい。

・煎茶と同じように淹れることで煎茶のような味わいに、玉露と同じように入れることで玉露のような味わいで楽しむことができる。

かぶせ茶と玉露が比較される理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。淹れ方によって味わいが大きく変わるかぶせ茶をあなたも一度試してみてはいかがでしょうか。

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参考

日本茶の辞典 STUDIO ACT CREATIVE

Wikipedia https://ja.wikipedia.org