緑茶の種類はこんなにあった!【同じ茶葉から作られる9種の緑茶】
茶葉は酸化酵素の働きによって摘み取られた瞬間からタンニンが酸化し、発酵が始まります。
お茶の種類には茶葉を発酵させるものと発酵させないものの二つがあり、 発酵させたお茶は発酵の度合いによって、半発酵茶と発酵茶に分けられ紅茶は代表的な発酵茶で、ウーロン茶は代表的な半発酵茶の一つです。
発酵が進むと茶葉の色は赤茶色っぽく変わってきますが緑茶は収穫後、すぐに熱を加えて発酵止めるため緑茶は緑のままなのです。
緑茶が製造される工程は一般的に茶葉を蒸した後、熱を加えながら何段階かの揉みの工程を経た後、乾燥させ粗茶を作ります。
その後の仕上げ加工で、火を入れ乾燥させながら旨味と香りを引き出し、粗茶をフレンドしたものが製品として一般の市場に流通します。
煎茶(せんちゃ)
煎茶は緑茶の中で最もよく飲まれているお茶で、蒸し→揉み→乾燥→選別→火入れ→合組といった工程で製造されます。
茶葉の蒸し時間は30秒ほどで、さらに長く蒸したものは深蒸し茶と呼ばれます。
選別の工程では煎茶になる「本茶」とそれ以外の「出物」に別けられ、「出物」から作られるお茶には後でご紹介する「茎茶」「芽茶」「粉茶」などがあります。
渋味と旨味のバランスの取れた味わいと爽やかな茶葉の香りが特徴で、水色は澄んだ金色になります。
深蒸し茶
基本的な製造方法は深蒸し茶と同じですが、煎茶の2~3倍の時間をかけて茶葉を蒸す「深蒸し」製法を用いて作られる緑茶で、長く蒸すことで茶葉の青臭さを飛ばしています。
深蒸し茶は渋味が少なくまろやかな味わいで、味が水に溶けだしやすいという特徴があります。
抹茶(まっちゃ)
抹茶は他の緑茶と製造の方法が異なり茶葉を蒸した後揉まずに乾燥させ、茎を取り除いた碾茶と呼ばれるお茶を臼で挽いて粉末にしたもので、茶葉そのものを飲むことから旨味成分が凝縮されています。
アミノ酸が多く含まれるため旨味が強く渋みはあまり感じられず、まろやかな甘みを味わえるのが特徴で、 色が鮮やかなものほど上質な抹茶です。
茶葉を丸ごと飲むことができるため、ビタミンEなど水に溶けない成分も摂取することができ、ビタミンEには老化防止や更年期障害の症状緩和、血行促進などの効果がありビタミンCと一緒にとることによって抗酸化作用が向上します。
粉茶(こなちゃ)
粉茶は粗茶の製造工程で作られた茶葉の切れ端を集めたもので、茶葉の品質は煎茶より劣るわけではなく、安価ながらもお茶本来の風味を味わえるのが特徴で抹茶とは別物です。
茶こしやパックを使って淹れるのが一般的で、茶葉が細かいため濃いお茶が出るのが特徴ですが、 煎茶と違って1煎目でお茶が出きってしまうので、煎茶のように何煎も楽しむことはできません。
玉露(ぎょくろ)
玉露は新芽が出始めてから20日間ほど茶葉を遮光材で多い、日光を遮ることで旨味成分を増加させたもので、最も高価な緑茶です。
アミノ酸とカフェインが多く含まれ、特にカフェインはコーヒーと同じくらい含まれ、カフェインには覚醒作用や注意力の向上・運動機能向上・利尿作用といった効果があります。
番茶(ばんちゃ)
番茶は新茶ではなく二番茶や三番茶の茶葉を使うため番茶と呼ばれ、新茶と比べ渋味が強いのが特徴です。
この渋味はカテキンによるもので、成長した茶葉にはカテキンが多く含まれるため渋みが強くなります。
カテキンには抗酸化作用や体脂肪減少・高血圧予防・糖尿病予防・骨粗しょう症予防などといった効果があります。
ほうじ茶
ほうじ茶は茶葉を炒めて水分を飛ばしたもので、熱によってカフェインや渋みのもととなるタンニンが分解されるため、体に与える刺激が少ないという特徴があります。
カフェインには覚醒作用があるため、取りすぎると不眠などになる可能性がありますが、ほうじ茶はお茶の中でもカフェインが少ないので、他のお茶と比べてカフェインから受ける影響が小さくなります。
また、ほうじ茶はナイアシンを多く含む緑茶で、ナイアシンには血行改善効果や 統合失調症の症状を緩和するなどの効果があります。
玄米茶(げんまいちゃ)
玄米茶は炒った米と強火で加熱した番茶を同量ずつブレンドしたもので、米の香ばしさと爽やかな味わいが特徴で食塩や抹茶を加えたものもあります。
短時間で抽出する方が良いとされ、時間をかけるとタンニンが多く抽出され渋味が強くなります。
茎茶(くきちゃ)
茎茶は煎茶を製造する過程で、取り除かれた茎の部分を集めて作られたお茶で、棒茶とも呼ばれます。
茎の部分には葉と比べてテアニンが2倍近く含まれており、強い甘みと旨味が楽しめ、香り成分も葉より多く含まれるため豊かな香りを楽しめるのも特徴です。
参考
今井久雄 愛する「日本茶」の本 株式会社笠倉出版
(社)静岡県茶業会議所編 知って得するお茶百科
http://shizuoka-cha.com/
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8