日本人にとってなじみの深い緑茶ですが、どこで作られているのか気になったことはありませんか?
国内の各地で緑茶が生産されており、それぞれの地域の気候や条件を活かしたお茶作りが行われています。
この記事ではお茶の生産地を生産量が多い順に、ランキング形式で紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
煎茶の生産量ランキング
緑茶の中で最も生産量が多いのが煎茶です。
全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連絡協議会の平成30年茶種別生産実績によると、お茶は全国で84,802t生産されています。
【お茶の生産量】
- 静岡県 33,400t
- 鹿児島県 28,100t
- 三重県 6,274t
- 京都府 2,939t
- 宮崎県 2,749t
- 福岡県 1,929t
- 奈良県 1,680t
- 佐賀県 1,271t
- 熊本県 1260t
- 埼玉県 836t
(出典:全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連絡協議会)
【1位】静岡県
静岡県はお茶の生産量で、全国1位を誇る日本屈指のお茶の生産地です。
その生産量は33,400tにものぼり、これは全国で生産されるお茶の約40%に相当します。
県内の各地でお茶が生産されており、「本山茶」「牧之原茶」「掛川茶」などさまざまなブランドが存在します。
「静岡茶」は三大銘茶のひとつでもあり、昔からお茶どころとして知られており、現在でもお茶の研究・開発や流通において中心的な役割を担っています。
また、静岡県は深蒸し茶の発祥地としても知られています。
【2位】鹿児島県
鹿児島県の煎茶の生産量は28,100tで、これは全国で生産される煎茶の約30%に相当します。
鹿児島県は、日本の産地の中では南に位置しており、温暖な気候から毎年全国に先駆けて新茶の収穫が行われます。
特にお茶の生産が盛んに行われているのは南九州市で、市町村別の生産量では全国1位です。
また、南九州市は「知覧茶」の産地としても知られており、品質の高さが全国的に評価されています。
【3位】三重県
「伊勢茶」の産地として知られる三重県の生産量は6,274tです。
三重県では煎茶以外にもかぶせ茶の生産が盛んに行われており、かぶせ茶の生産量は2,761tと全国1位の生産量を誇ります。
900年頃に四日市市の浄林寺で、お茶が栽培されていたとする記録が残されており、古くからお茶が栽培されていた歴史のある産地です。
南勢地区では深蒸し茶の生産が盛んで、北勢地区ではかぶせ茶や普通蒸しの煎茶の生産が盛んにおこなわれ、それぞれの気候に合わせたお茶が生産されています。
【4位】京都府
4番目にお茶の生産量が多いのは、京都府でその生産量は2,939tです。
京都府では玉露や碾茶の生産が盛んで、抹茶の原料である碾茶の生産量では全国1位を誇ります。
京都府は日本のお茶文化の中心地として栄え、現在の煎茶の製法は江戸時代に京都で開発されました。
また、玉露の栽培方法が考案されたのも京都で、緑茶の歴史を語る上でも重要な産地です。
高級茶のブランドとして有名な「宇治茶」は、日本三大銘茶のひとつに数えられ、京都は古くからお茶の名産地として知られていました。
【5位】宮崎県
全国で5番目に生産量の多い県が宮崎県で、生産量は2,749tです。
南部の串間市や都城市周辺と、沿岸部の川南町周辺で盛んにお茶が生産されています。
五ヶ瀬町周辺の山間部では、釜炒り茶の生産が盛んでその生産量は全国2位になっています。
最近ではブランド化も進められており、宮崎県で生産されたお茶は「みやざき茶」と呼ばれています。
【6位】福岡県
福岡県の緑茶の生産量は1,929tで、玉露の生産量では全国2位を誇ります。
八女市周辺は高品質な玉露の産地として知られており、全国茶品評会で入賞するほどその品質が評価されています。
玉露の栽培では茶葉の旨味成分を増加させるために、収穫前の20日ほど前から被覆材で茶葉を覆って日光を遮ります。
最近では寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる化学繊維を用いた被覆材を使用することが多いですが、八女では昔ながらのわらを編んで作った被覆材が現在でも使われています。
【7位】奈良県
奈良県の緑茶の生産量は1,680tです。
奈良のお茶栽培の始まりは、1200年以上前にさかのぼるとされ、古くからお茶の栽培が行われてきました。
月ヶ瀬や原田などの山間部で栽培されるお茶は「大和茶」と呼ばれています。
現在は主に緑茶を生産していますが、明治時代のお茶が国外に輸出されていた時期には、奈良県の紅茶は高く評価されていました。
【8位】佐賀県
佐賀県のお茶の生産量は1,271tです。
玉緑茶には「釜炒り製」と「蒸し製」の2種類が存在しますが、佐賀県は両方の玉緑茶の生産が盛んで、釜炒り製玉緑茶の生産量では全国1位を誇ります。
お茶の生産が盛んなのは嬉野町周辺で、隣接する長崎県東杵(ひがしそのぎ)町を含む地域で栽培されたお茶は、「嬉野茶」として知られています。
【9位】熊本県
熊本県のお茶の生産量は1,260tで、熊本県内で生産されたお茶は「くまもと茶」と呼ばれています。
球磨地域での生産が特に盛んで、機械化による大規模な栽培が行われており、この地域では主に煎茶が生産されています。
熊本県は玉緑茶の生産も盛んで、蒸し製玉緑茶の生産量は457tと、長崎県、佐賀県に次いで3番目に多く蒸し製玉緑茶を生産しています。
【10位】埼玉県
埼玉県のお茶の生産量は836tです。
埼玉県は日本三大銘茶のひとつである「狭山茶(さやまちゃ)」の産地として古くから知られています。
暖かい産地では年に4回ほどお茶の収穫を行いますが、埼玉県はお茶の産地としては比較的涼しい地域に位置しているため、お茶の収穫は年に2回のみとなっています。
狭山茶の特徴は「狭山火入れ」と呼ばれる特殊な火入れにあり、一般的な煎茶の火入れより強めに火入れを行います。
一般的な煎茶で同じことをすると、茶葉が駄目になってしまいますが、この地域の茶葉は涼しい気候のおかげでゆっくりと成長して肉厚に育つため、強い火入れにも耐えることができるのです。
まとめ
- 静岡県は国内のお茶の約40%を生産している
- 鹿児島県は国内のお茶の約30%を生産している
- 碾茶の生産量が最も多いのは京都府
日本の主なお茶の産地を生産量順にご紹介してきました。
日本ではさまざまな場所でお茶が生産されており、それぞれの気候を活かしたお茶作りが行われています。
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