緑茶で動脈硬化を予防しよう!

緑茶で動脈硬化を予防しよう! 緑茶と健康

緑茶で動脈硬化を予防しよう!

緑茶で動脈硬化を予防しよう!

緑茶には心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈硬化を引き起こすLDL(悪玉コレステロール)に作用する成分が含まれています。この記事では緑茶が動脈硬化を予防する仕組みについてご紹介していきます。

動脈硬化とは

コレステロールは細胞膜の材料であり、脂肪を消化する胆汁の材料でもあります。コレステロールはリポタンパクというタンパク質に包まれた状態で血管の中を流れ、リポタンパクにはHDLとLDLというコレステロールを運ぶ役割を持ったものが存在します。HDLは善玉コレステロールと呼ばれ、余分なコレステロールを回収する役割を担い、LDLは悪玉コレステロールと呼ばれ肝臓からコレステロールを体中の細胞へ運ぶ役割を担っています。

必要以上にコレステロールが存在すると血液中のLDLの濃度が上昇し、その状態が長く続くとLDLが酸化し、酸化LDLになります。酸化LDLは血管の内側を傷つけるため、単球という体内に侵入してきた細菌などの異物を食べる白血球の一種が、 酸化LDLを食べ始めますが、酸化LDLが多く食べきれないと泡沫化細胞となって死んでしまいます。この死骸が血管の内側に溜まることで動脈硬化巣が形成され、動脈硬化巣が大きくなり破裂すると血管が傷つけられ、傷つけられた箇所に出血を止める役割を担う血小板が集まり血栓ができます。 これにより血液の流れが悪くなる事を動脈硬化と呼び、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。

LDLの酸化抑制を抑制する成分

カテキン

豚の血液から取り出したLDLを酸化させる実験では、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCE)やエピカテキンガレートなどのカテキンがLDLの酸化を抑制するという結果が示されました。また、うさぎの血液から取り出した血小板に、凝集反応を引き起こさせる薬剤を加える実験では、エピガロカテキンガレートやエピカテキンガレートを加えることで血小板の凝集が抑制されるということが明らかにされました。その他、動脈硬化を発症したマウスを用いた実験では、カテキンの一種であるポリフェノンEを14週間与えたところ、動脈硬化巣が縮小したそうです。

人を対象とした実験でも、1日2回カテキンを1週間摂取することによってLDLの酸化が抑えられたという結果が示されました。

茶カテキンの効果とは?

ビタミン

緑茶にはビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用のあるビタミンが含まれ、これらのビタミンもLDLの酸化を抑制する作用があり、 特にビタミンEはLDLの酸化を抑制し動脈硬化を予防するだけではなく、継続して摂取することで血管の弾力性を高める効果があり、血管本体を維持する効果もあります。ビタミンCにはビタミンEを修復する作用があるため、両方一緒に摂取することでより高い抗酸化作用を発揮します。

ビタミンCは水溶性のビタミンであるため、煎茶などのお湯や水で入れるタイプの緑茶で摂取することができますが、ビタミンEは水には溶けないため抹茶や粉末緑茶などの茶葉を丸ごとを摂取するタイプの緑茶でなければ摂取することはできません。

お茶のビタミンと効果

お茶に含まれるビタミンの種類と効果とは?

血中LDL濃度上昇を抑制

腸管からのコレステロール吸収を抑制

食事によって腸管内に入ったコレステロールは、そのままでは吸収することができないため水に溶けやすい微粒子に形を変えて吸収されますが、カテキンにはコレステロールが微粒子になるのを阻害する働きがあり、この働きによってLDLの血中濃度の上昇を防ぐ作用があります。この作用はカテキンの中でもEGCGやエピカテキンガレートといったガレート型カテキンで強く、特にEGCGの方が効果が強いとされています。高コレステロール血症のマウスを用いた実験では、EGCEを与えると血液中のコレステロール値が低下するという結果が示されました。

肝臓でのLDL生成の抑制とLDL吸収の促進

LDLは肝臓で作られ、余分なLDLは通常肝臓に取り込まれますが、EGCGにはLDLの合成に必要なアポリポタンパク質Bの量を減らす作用があり、LDLの生成を抑制する作用があります。また、肝臓でLDLを取り込む際、 細胞表面のLDL受容体が重要な役割を果たしますが、EGCGにはLDL受容体を作るための遺伝子の働きを高めることで、細胞表面のLDL受容体の量を増加させLDLの細胞内への取り込みを増やすことで分解を促進する作用があります。

まとめ

まとめ

・カテキンは動脈硬化の原因となるLDLの酸化を抑制する。

・カテキンは腸管からのコレステロール吸収を抑制する他、肝臓で生成されるLDLの量を減らし、肝臓へ取り込むLDLの量を増加させることで血中のLDL濃度を低下させる。

・ビタミンC・EにもLDLの酸化を抑制する作用がある。

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参考

動脈硬化型生食負荷マウスの血清、肝臓および大動脈脂質異常に対する緑茶抽出成分の予防効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj1944/97/6/97_6_329/_pdf/-char/ja

緑茶と健康のメカニズム 機能効用ナビゲーション2013