お茶が好きになると、お茶についてもっと知りたくりますよね。
日本人にとって馴染み深いお茶ですが、その起源についてご存知でしょうか?
この記事では、日本茶の歴史や日本茶を発展させた人物について解説していきますので、ぜひご覧ください。
日本茶の起源
日本茶の起源は、遣唐使が唐よりお茶の種を持ち帰ったことが始まりと言われています。
「日本後紀」にお茶に関する記述があり、これがの日本最古のお茶に関する記録とされています。
お茶が日本に伝わった頃、お茶はし好品というより薬として扱われていました。
また、当時は身分の高い人達だけのもので、一般の民衆にお茶が広まったのはもっと後になってからです。
お茶の歴史年表
日本茶に関する主な歴史上の出来事について解説します。
[su_note note_color=”#effff7″ text_color=”#000000″]【お茶の歴史年表】
805年 最澄が唐からお茶の種を持ち帰る
815年 「日本後紀」に日本最古のお茶に関する記述が登場
1191年 栄西禅師が製茶方法を伝える
1214年 栄西禅師が「喫茶養生記」を記す
1654年 明より釜り茶が伝わる
1738年 永谷宗円が「青製煎茶製法」を考案
1835年 山本嘉兵衛が「玉露」を考案
1859年 日本茶の輸出開始
1898年 粗揉機が開発される
1908年 杉山彦三郎が「やぶきた」を開発[/su_note]
平安時代~
お茶が日本に伝わったのはこの時期で、唐の優れた技術を学びに行った遣唐使や僧侶が、お茶の種を日本に持ち帰ってきました。
この時代に記された「日本後紀」は、お茶に関する記述がある日本最古の記録として知られています。
先にご紹介したように、この時代のお茶は薬として扱われていました。
鎌倉時代~
鎌倉時代に入ると、茶の栽培方法や製茶方法、飲み方が日本に伝わります。
この時代には明恵上人が京都の梶野に茶園を開き、これが宇治茶の起源になったと言われています。
そのしばらく後に、静岡にもお茶の種が伝わり、お茶が栽培されるようになりました。
室町時代~
室町時代には、茶園をわらで覆って栽培する覆下栽培が考案され、宇治の生産技術が発展していきます。
また、田村珠光が侘茶を考案し、安土桃山時代に千利休が茶の湯に発展させ、茶道の基礎を築きました。
江戸時代~
江戸時代に入ると、お茶は身分の高い人たちだけのものではなく、一般の民衆の間にも浸透していきました。
また、現在の煎茶製法の原型である青製煎茶製法が考案されたほか、玉露の製法もこの時代に考案されました。
江戸時代末期に日米修好通商条約が締結されると、日本のお茶が国外に輸出されるようになります。
明治時代
明治時代の初期から中期にかけては、輸出用のお茶の需要の高まりを受けて、茶園も増加していきました。
また、この時代に粗揉機が開発され、それまで手もみで製造されていたお茶の機械化が進んでいきます。
明治時代末期になると、お茶の品種改良が盛んに行われるようになり、杉山彦三郎によって煎茶用として品質に優れる「やぶきた」が開発されます。
以降、品質の高さから盛んに栽培されるようになり、現在では最も生産量が多いお茶の品種になりました。
日本茶を発展させた人物
日本茶を発展させた歴史上の人物について解説していきます。
最澄
最澄(さいちょう)は、日本最古の茶園を開いた人物とされています。
唐からお茶の種を持ち帰った最澄は、比叡山付近にその種をまき日吉茶園を開きました。
茶園があった場所は、現在日本茶発祥の地として知られています。
栄西禅師
日本臨済宗の開祖である栄西禅師は宋からお茶の種を持ち帰り、茶の栽培方法や製茶方法、飲み方を日本に伝えた人物です。
また、栄西禅師はお茶の効能や飲み方を解説した「喫茶養生記」という書物も残しています。
永谷宗円
永谷宗円は現在の製茶方法の原型である「青製煎茶製法」を考案した人物です。
それまでの製茶方法に、茶葉を揉む工程を加えたことで、より品質の高い煎茶を製造できるようになりました。
お茶漬けで知られる永谷園は、永谷宗円の子孫が興した会社です。
杉山彦三郎
杉山彦三郎は、「やぶきた」を生みだした人物です。
やぶきたは宇治の在来種の中から選抜された品種で、煎茶用の品種として優れていたため、全国的に普及し、現在国内で栽培されているお茶の約70%はやぶきたです。
やぶを切り開いた北側の茶園に植えられていたことから、やぶきたと名づけられたといわれています。
まとめ
- お茶は平安時代に唐から伝わった
- 元々は薬として扱われており、栄西禅師が「喫茶養生記」でお茶の効能を説いた
- 現在の製茶方法の基礎は江戸時代に築かれた
日本茶の歴史について解説してきましたが、日本茶には非常に長い歴史があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
平安時代にお茶が伝わって以降、国内のさまざまな地域でお茶が生産されるようになりました。
日本国内のお茶の産地について詳しく知りたい方は下記の記事もぜひご覧ください。
参考
日本茶の事典 STUDIO TAC CREATIVE