深蒸し茶の成分【煎茶では摂れない4つの成分】
昨今の健康志向の高まりを受けて、緑茶の健康効果がメディアで度々取り上げられていますが、代表的な緑茶の一種である煎茶では摂れず、深蒸し茶では摂ることのできる成分があることをご存知でしょうか。この記事では深蒸し茶で摂取できる成分についてご紹介していきます。
茶葉には水溶性の成分と不水溶性の成分が含まれる
茶葉に含まれる成分には水溶性のものと不水溶性のものがあり、そのうち水溶性の成分が20~30パーセント、不水溶性の成分が70~80%を占めています。まずはどのような成分がどの程度含まれているのかをご紹介します。
水溶性の成分
水溶性の成分にはその健康効果が注目されているカテキンの他、カフェインやビタミンCやテアニンなどが含まれています。
[su_table]水溶性成分 | 含有率 |
カテキン | 10~18パーセント |
フラボノイド | 0.6~0.7パーセント |
カフェイン | 2~4パーセント |
複合多糖 | 0.6パーセント |
ビタミンC | 150~250ミリグラムパーセント |
ビタミンB2 | 1.4mgミリグラムパーセント |
テアニン | 0.6~2パーセント |
GABA | 0.1~0.4パーセント |
サポニン | 0.1パーセント |
香気成分 | 1~2ミリグラムパーセント |
食物繊維(ペクチンなど) | 3~15パーセント |
ミネラル | 3~4パーセント |
不水溶性の成分
茶葉に含まれる不水溶性の成分には、ビタミンEやβカロテン・クロロフィルなどがあります。
[su_table]不水溶性成分 | 含有率 |
食物繊維 | 30~40パーセント |
タンパク質 | 約24パーセント |
βカロテン | 2~20ミリグラムパーセント |
ビタミンE | 26~70ミリグラムパーセント |
クロロフィル | 0.8~1パーセント |
不水溶性ミネラル | 2~3パーセント |
深蒸し茶には細かい茶葉が含まれる
煎茶や深蒸し茶は生の茶葉を蒸した後、揉み→乾燥→選別→火入れ→合組といった工程を経て製造されますが、茶葉を蒸す時間が煎茶は30秒程なのに対し、深蒸し茶はその2倍から3倍の時間をかけて茶葉を蒸します。それによって細くなった茶葉が混ざり少し粉っぽくなります。煎茶を淹れると澄んだ金色の水色(すいしょく)になりますが、深蒸し茶は細くなった茶葉も一緒にお湯に混ざるため、濁りのある緑色の水色になります。
深蒸し茶は不水溶性の成分も摂取できる
先にご紹介した通り深蒸し茶は細くなった茶葉がお茶に混ざるため、茶葉に含まれる不水溶性の成分も一緒に摂ることができます。深蒸し茶同様に茶葉をそのまま飲む緑茶にも同じことが言え、抹茶や粉末緑茶でも不水溶性の成分を摂ることができます。
深蒸し茶に含まれる4つの健康成分の効果
茶葉には6つ不水溶性成分が含まれていることは先にご紹介したとおりですが、ここではその内4つの成分と効果について取り上げていきます。
便秘予防に効果がある食物繊維【健康成分1】
食物繊維には水溶性のものと不水溶性のものがありますが、その内、緑茶に含まれる不水溶性の食物繊維は、水分を吸収し便を膨張させます。これにより腸が刺激され便通が良くなるため便秘予防に効果があるとされています。また、腸内の有害物質を吸着し、便と一緒に体外へ排出する作用があるため大腸がんを予防する効果があると言われています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」によると1日あたりの食物繊維の目標摂取量は成人男性が20g、成人女性が19gとされており、緑茶だけでこの量を摂取しようとすると、大量に緑茶を飲まなければならないため現実的とは言えません。日本人は食物繊維が不足しがちと言われていますが、深蒸し茶を飲むことで食事で足りない分の食物繊維を補うことができます。
免疫力を向上させるβカロテン 【健康成分2】
βカロテンは小腸でビタミンAに変換されるため、ビタミンAの仲間に分類されます。βカロテンには免疫力を向上させる効果があるとされる他、抗酸化作用によって体内の活性酸素を減少させる効果があると言われています。
老化を抑制し血行を良くするビタミンE 【健康成分3】
ビタミンEは抗酸化作用のあるビタミンで、細胞膜の脂質に溶け込み細胞の脂質が酸化するのを防ぐ作用があるため老化を抑制する効果があると言われている他、 悪玉コレステロールの酸化を抑制することにより、酸化した悪玉コレステロールによって血管が狭くなるのを防ぐことで血流をよくし、肩こりや冷えを予防する効果があるとされています。
また、茶葉に含まれる水溶性のビタミンであるビタミンCにも抗酸化作用がありますが、ビタミンCには酸化したビタミンEを再生する作用もあるため、一緒に摂取することでビタミンEの効果をより得やすくなります。深蒸し茶には、ビタミンCとビタミンEを一緒に摂取できるという利点があります。
染色体異常を抑制するクロロフィル 【健康成分4】
クロロフィルにも抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去することによって、染色体異常を抑制する作用があるため、がん予防の効果が期待できると言われています。 他にも殺菌作用や消臭効果もあると言われています。
まとめ
・茶葉に含まれる成分には水に溶けるもの溶けないものがある。
・深蒸し茶は細い茶葉がお茶に混ざるため、不水溶性の成分も摂ることができる。
・深蒸し茶は便秘予防に効果がある食物繊維を摂取できる。
・免疫力を向上させるβカロテンを摂取できる。
・老化を抑制し血行良くするビタミンを摂取できる。
・染色体異常を抑制するクロロフィルを摂取できる。
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参考
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
静岡県茶業会議所編 知って得するお茶百科
http://shizuoka-cha.com/
健康長寿ネット ビタミンAの働きと1日の摂取量
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html